アート

Gift Horse (2014)|ハンス・ハーケ

チンキビジュツ〜世にもおかしなアートの世界〜

No. 910(2020.02.15発行)
キッチン
©Hans Haacke/Artists Rights Society (ARS), New York

 ここは、観光客で賑わうロンドンのトラファルガー・スクエア。政界人が演説をする場としても有名な広場ですね。その中心で威容を誇るのはナポレオンから英国を死守した英雄、ネルソン総督の像。ほかにも広場の四隅には国王や軍人のモニュメントが鎮座しているのですが、その一つに、期間限定で現代アーティストの作品を設営することが通例になっているんだとか。2014年ここに堂々とお目見えしたのが、ドイツ人のアーティスト、ハンス・ハーケ(1936〜)が手がけた上のブロンズ像。実物の馬の2倍ほどもあろうかという、巨大な馬のスケルトンです。前脚にはリボンが飾られていて、ちょっとお茶目。題名の通り「ギフト」ならん様相でございます。が、よく見ると、リボンは電光掲示板という仕掛けになっていて、そこに証券取引所の株価情報が流れているではありませんか。資本主義に対する皮肉? 伝統的にパワーの象徴とされている馬が丸裸に、いや、丸骨にされてしまったワケに思いを巡らすのも、また一興です。

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文/
中村志保

本記事は雑誌BRUTUS910号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は910号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.910
キッチン(2020.02.15発行)

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