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女郎蜘蛛の刺青に、 叫ばずにはいられない。|『刺青』

みんなの映画 by Takashi Homma

No. 910(2020.02.15発行)
キッチン
『刺青』監督:増村保造/原作:谷崎潤一郎/出演:若尾文子、長谷川明男、山本學ほか/2月28日より、角川シネマ有楽町ほかで全国順次公開される『若尾文子映画祭』で、4Kデジタル修復版が上映予定。©KADOKAWA 1966
ホンマタカシ(以下H)
いやあ、谷崎きてるね 刺青
BRUTUS(以下B)
文豪・谷崎潤一郎(*1)原作の映画『刺青』が、今回、4K修復版で公開されます。
「すべて美しいものは強者であり、醜いものは弱者であった」って、ものすごい価値観だよね。今のこの多様性を認めようって時代にはほぼありえないよね。ぺこぱなら、「醜くてもいい」って、ツッコむところだね。
M−1グランプリで脚光を浴びたツッコまない漫才のぺこぱ(*2)をなぜ知っているのか、謎です……。
ところで、原作には駆け落ちも殺人もないんだよね。それを映画で表現する脚本がすごいよ。
原作が谷崎潤一郎で、監督が増村保造で、脚色が新藤兼人です。並びがすでにすごいですよね。
谷崎、どう思ったんだろね?(笑) あ! 若尾文子さんの話をしなきゃ!
その話をしたいんですよね?
まあ、原作にある彫り師の宿願、光輝ある美女の肌を得て、それへ己の魂を刺し込むことであった……、だからね、谷崎、変態さがね。
そして、背中一面に女郎蜘蛛の刺青を施されたことをきっかけに……。
ちなみに『鍵』って作品もものすごい変態性が発揮されてるんだよね。
若尾さんは妖艶ですよね。
若尾文子さ〜ん!
なんですか? 急に。
なんとなく叫んでみたよ(笑)。
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*1

1886年生まれの近代日本文学を代表する小説家。代表作に、『痴人の愛』『春琴抄』『細雪』など。1965年没。

*2

2008年結成のお笑いコンビ。2019年のM−1グランプリでは、ファイナルラウンドに進出した。

本記事は雑誌BRUTUS910号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は910号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.910
キッチン(2020.02.15発行)

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