エンターテインメント

○と○

菅原 敏「詩人と暮らし」

No. 909(2020.02.01発行)
もっと おいしいコーヒーの教科書

テーブルクロスの上に
ふたつの ○ と ○
ことの終わりには
ひとつの 。で十分なのに
果物みたいな酸味と
ほのかな苦味は
後から追いかけてくる
これまでの時間を
あつい黒でとかして
それでも寒空の下では
ふたりの息は白くて
5文字の言葉を
耳じゃなく舌で
静かに焼き付ける

【memo】喫茶店では今日も多くの始まりや終わりたちが席を埋めていて、話が進むにつれてカップの中身は減っていく。かつて私に、詩で食べていくきっかけをくれたのも珈琲だった。暮らしにおける句読点。私にとって珈琲は新たな始まりの飲みものだ。(敏)

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すがわら・びん

詩人。国内外での朗読公演など幅広く活動中。J−WAVEで月曜〜木曜の23時55分から5分間、詩の朗読番組が開始。

編集/
西野入智紗

本記事は雑誌BRUTUS909号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は909号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.909
もっと おいしいコーヒーの教科書(2020.02.01発行)

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