エンターテインメント

[12月21日〜23日] 『CONFUSED!』の世界観をベースにした描き下ろし作品が並ぶ展示が開催

BRUTUSCOPE

No. 905(2019.11.15発行)
ニッポンのホテル。
サヌキナオヤ(左)/ RIVERSIDE READING CLUB(右)

読了だけがすべてじゃない? 「音楽的」な読書のススメ。

イラストレーター、サヌキナオヤが、RIVERSIDE READING CLUBと初対面!

漫画『CONFUSED!』を上梓したサヌキナオヤが最近影響を受けているのは、クラブに集まる本好きたちによって結成された読書グループ・RIVERSIDE READING CLUB(以下RRC)。中心人物のIKMとLil Mercyとの初対面を果たした。

サヌキナオヤ
RRCって、とにかく正体が不明ですよね。
IKM
ちゃんとした活動があるわけではないんですよ。SNSはほとんど僕1人で書いていて、会った時に本の話をしたり、それぞれが読んで良かった本を交換し合ったりするのが活動といえば活動。言ってしまえばノリの産物のような……。
Lil Mercy
人数もあんまりきちんと把握していない(笑)。本を交換したらメンバー、くらいのゆるい繋がりだよね。
サヌキ
その感じもかっこいいですね。僕がRRCを知ったのは、インスタグラムを通してです。アメリカのクラシック文学を中心にした本の写真と感想が淡々と投稿されていて。追いかけるようになって以来、読書の幅がグッと広がったような気がします。選ぶ本のジャンルは自分の嗜好とも近いので、全然違う畑の本に触れられるというよりは、同じようなモチーフに違う角度から出合えるようになったなと。『CONFUSED!』の感想も投稿してくださり、ありがとうございました。
IKM
グッときましたね。「Little Prank」と「Yard Sale」がすごく好きで、すでに3回は読み返しました。どんな作品から影響を受けているんですか?
サヌキ
僕が一番影響を受けているのはエイドリアン・トミネというアメリカのグラフィックノベルの作家です。あと、今回の作品の舞台はグリーンバーグという架空の町なんですけど、そのモチーフは、シャーウッド・アンダーソンの『ワインズバーグ、オハイオ』に影響を受けています。
Mercy
俺らも町に焦点を当てた作品はよく読みます。アメリカの作家って結構、作品に自分が住んでいる町のことや、その土地特有のカルチャーを盛り込むじゃないですか。それがすごく好き。
IKM
そうそう。『CONFUSED!』にも各所から町のカルチャーが垣間見えて、“フィール”しました。あと、アメリカの短編集っぽい魅力もありますよね。前置きはすっ飛ばして、いきなりあるシーンが切り取られていて、明確なオチはなく静かに収束する。そのフローが心地よいというか。
サヌキ
ストーリーを担当したHomecomingsの福富(優樹)くんは、まさにアメリカの短編集、スチュアート・ダイベックの『シカゴ育ち』が人生の一冊、というような人で、いつも持ち歩いているんです。バンドの出番前とか緊張する時に読んで心を落ち着かせているらしくて。『CONFUSED!』も誰かにとってそんな一冊になればと思って作りました。お2人には、そんなお守りのような短編はありますか?
IKM
最近読んだ中だと、デニス・ジョンソンの『海の乙女の惜しみなさ』。締めのセンテンスがすごく良くて、まだあまり読み込めていませんが、大事な一冊になりそうだなと思ってます。
サヌキ
へー! 読んでみます。僕は、『and Other Stories―とっておきのアメリカ小説12篇』に入っている『夢で責任が始まる』っていう短編ですかね。この作品を書いたデルモア・シュウォーツは、ルー・リードにも影響を与えた詩人で、畑中佳樹さんの訳も素晴らしいです。
Mercy
短編って、いろんな読み方ができるからいいですよね。好きなラインや一編だけを繰り返し読んでほかは読まなかったり、順番をぐちゃぐちゃにして読んだり。俺の部屋には、中途半端に読んだ本がめちゃくちゃ積まれてる(笑)。
IKM
その読み方いいですよね。音楽的じゃないですか? 作家からすれば、きちんと通して読んでほしいだろうけど。
Mercy
そう。まあ本当は曲も、めちゃくちゃ順番を考えて作っているんだけど(笑)。でも、楽しむ側の自由だから。
サヌキ
長編でも、別に全部読まなくても十分というか……。トマス・ピンチョンの本とか、隅々まで読んでいるかと言われたら怪しい(笑)。
IKM
もはや読み切れないことをネタにする本ですよね(笑)。読了するのもいいし、かいつまんで読むのもいい。音楽みたいに、もう少し気軽に本を楽しめるようになればなと。RRCも読書会はせず、ミックスCDを渡すような感覚で本を交換して語り合って楽しんでいます。
サヌキ
すごく共感します。お2人とまだまだ話したい本の話があるな……。
IKM
俺らもですよ。もう、今日からサヌキさんはRRCのメンバーで(笑)。
サヌキ
よろしくお願いします!
エンターテインメントカテゴリの記事をもっと読む

『CONFUSED!』

Homecomingsの福富優樹(ストーリー)とサヌキナオヤ(作画)による漫画作品。12月21日〜23日、恵比寿のギャラリー〈KATA〉では、作品の世界観をベースにした描き下ろし作品が並ぶ展示も開催予定。入場無料。KADOKAWA/1,000円。

サヌキナオヤ

1983年京都府生まれ。イラストレーター、漫画家。Homecomingsのアートディレクションを担当し、イラストワークではチャールズブコウスキーなどの小説の装画や、雑誌『POPEYE』などの表紙を手がける。

RIVERSIDE READING CLUB

リバーサイド・リーディング・クラブ/クラブでの読書談議の延長で生まれた緩やかな読書グループ。メンバーは、IKMを中心に、〈WDsounds〉主宰のLil Mercyほか多数。インスタグラムは @riversidereadingclub。

illustration/Naoya Sanuki text/Emi Fukushima/

本記事は雑誌BRUTUS905号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は905号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.905
ニッポンのホテル。(2019.11.15発行)

関連記事