歌舞伎座裏 まさし | 東銀座

グルマン温故知新

No. 902(2019.10.01発行)
バンコク 見る、買う、食べる、101のこと。
お造り盛り合わせ 「炙ると溶け出す脂の旨味を味わってもらいたい」と、その都度藁で燻す気仙沼の鰹(上)に、千葉の平目(左)、神奈川の真蛸(下)、佐賀の小肌の握り鮨(右)の盛り合わせ。薬味は、本わさびに藻塩、「鰹におすすめ」という和辛子。豊洲で仕入れる鮮魚のお造りは単品でも注文可。写真の内容で1,580円。

飲食界の名プロデューサーに学んだ同窓の店。

1988年に開いた下北沢のバーを出発点に、現在は〈並木橋なかむら〉等の和食店を手がける中村悌二さん。今や系列店は8軒を数え、渋谷〈高太郎〉、門前仲町〈沿露目〉など、人気店の店主を多数輩出する。今年もOBが続々独立。同じ師に学んだ新星の注目店へ。

趣ある佇まいと驚きのあるメニューが持ち味。

「名は体を表す」の言葉通り、歌舞伎座の真裏、路地に面した一軒家。店主の加藤将史さんは、調理師学校卒業後、地元・千葉の有名中華料理店や和食店を経てなかむら系列の〈銀座KAN〉へ。6年半の勤務中に料理長も経験し、系列の青山〈GOSU〉をサポートした後、この6月に満を持して独立開業した。「中村さんに学んだことは“潔さ”」と加藤さん。「料理の構成や盛り付け方、接客も簡潔さを心がけています」
 河岸に仕入れに行きやすいからとこの地に店を構えただけに、鮮魚料理には力を入れる。お造りや炭火焼きの魚は常時数種類を揃え、コースでは鮨も出す。
 一方で“なかむら系”らしい創作料理にも力を入れていて、焼サンドはその好例。「鱧カツ」「曲者(奈良漬とゴルゴンゾーラ)」など、季節で具材が替わる。さらには、中華料理店での経験も生かし餃子、春巻など豚肉料理にも力を入れる。和食の枠にはまらない魅力がある店だ。

餃子

みっちりと餡の詰まった餃子は、茨城の「和豚もちぶた」のうで肉を使用。新ショウガの角切りを混ぜて、サクッとした食感とさっぱりとした後味をプラスしている。〈第二築地製麺所〉の特大の皮に包んで焼く。470円。

海老タル焼サンド

富山の白エビをカラリと揚げて、奈良漬入りの自家製タルタルソースで和えたものを食パンでサンド。炭火で焼いたパンの香ばしさが、味わいの印象をさらに高めている。傍らには水ナスの浅漬けを添えて。920円。

鰹のサクを燻す加藤さん。こうしたプロセスが見られるのもカウンターの魅力。

厨房のタイル壁がアクセントになった空間。

東京都中央区銀座4−11−9。月曜休。交通:東京メトロ東銀座駅から徒歩3分。2019年6月にオープン。〈銀座KAN〉時代からの仲間で、共に独立し一緒に働く鎌田康資さんは秋田出身。東京に流通していない地元の酒蔵との付き合いがあることから、珍しい銘酒も揃える。ワインは、味わいと運営方針に感銘を受けた〈ココ・ファーム・ワイナリー〉から。アラカルトの場合のみ、お通し280円。

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歌舞伎座裏 まさし

電話:03・6264・1725
営業時間:17時〜23時LO(日15時〜21時LO)。
お酒:ビール520円〜。日本酒850円〜。ワイン750円〜。焼酎670円。
価格 :お造り単品1,000円〜。焼き物1,600円〜。おまかせコース6,320円〜。
席数:カウンター9席。2階はテーブル1卓10席で1日1組、3名〜予約可。

文/
小石原はるか
photo/
Hisashi Okamoto

本記事は雑誌BRUTUS902号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は902号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.902
バンコク 見る、買う、食べる、101のこと。(2019.10.01発行)

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