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なぜ、普通の大学生がビル・ゲイツに会って、成功について話を聞けたのか?

BRUTUSCOPE

No. 902(2019.10.01発行)
バンコク 見る、買う、食べる、101のこと。
アレックス・バナヤン

話題の本『サードドア 精神的資産のふやし方』の著者、アレックス・バナヤンが教えてくれた、超VIPの共通点とは?

アメリカの大学に通っていたごく普通の青年が、クイズ番組での優勝賞金を元手に、あの手この手で成功者に会ってインタビューをするノンフィクションが話題だ。それもそのはずで、話を聞いた顔ぶれがすごい マイクロソフト創業者のビル・ゲイツをはじめ、アーティストのレディー・ガガ、インタビュアーのラリー・キング、女優・実業家のジェシカ・アルバ、ボクシングの元世界チャンピオン、シュガー・レイ・レナード、ザッポスCEOのトニー・シェイなど、さまざまな業界を代表する超VIPばかり。質問の内容は、どうやって成功への足がかりをつかんだのか? その最初の一歩について。
 
なぜ世界的な著名人たちに、特別なコネもない青年が直接会うことができたのか? 悪戦苦闘しながら一歩一歩前に進む様子と、成功者から授かった言葉を一冊の本にまとめたのが『サードドア 精神的資産のふやし方』だ。
 
2018年アメリカで発行されると瞬く間にベストセラーとなり、その後、世界18ヵ国で刊行。この夏、日本でも出版され、多くの書店で売り上げランキング1位となった。ビジネス書でもなければ、自己啓発書とも違う、一人の青年の冒険譚として楽しめるのが特徴で、著者はペルシャユダヤ人の移民の息子、アレックス・バナヤン。この本の出版によって自らも成功者の仲間入りを果たしたアレックスに話を聞いた。
「この本はどうやって夢を叶えていいのかわからない若い人たちが、多くの成功者からベストなやり方を学べるものです。彼らの叡智を一冊にまとめて次の世代に継承していくことで、若者たち可能性が広がってくれたら嬉しいですね」

今回、彼がインタビューやリサーチに費やした期間は4年で、さらに執筆に3年。本にまとめるまでに計7年かかっている。実際に会った世界の超VIPはおよそ20人。中でも一番印象に残っているのは誰かと聞くと、音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズの名前を挙げた。
「この本を作るにあたって、私は上だけを見ていました。つまり、その業界で最も著名な人たちだけをインタビューの対象にしていたのですが、クインシーはもっと視野を広く持って、世の中のすべてを吸収しなさいと教えてくれました。それこそが自分の人生を素晴らしいものにするのだと。そして、成功の反対は失敗ではなくトライしないことで、実際に何かを試した結果であれば、成功も失敗も同じだとも。話を聞いたあとは、目の前がパーッと開けて、より自分を解放し、自由に生きられるようになったんです」
 
では、成功者に共通することは? そう尋ねると、アレックスは意外にも、スタート時は誰もが恐怖心を抱いていたことだと教えてくれた。
「とんでもない成功を収めた人たちは、私たちとは違うタイプの特別な人間で、恐れを知らないんだと思っていましたが、実際に話を聞いてみるとそうではありませんでした。みなさん、最初は不安があったけど、夢を叶えるためにそれを乗り越えてきた人ばかりだったんです」
 
その方法については、本で確認していただくとして、超VIPももともとは普通の人であることを知れば、たとえ目標達成への課題を抱えていても、それに立ち向かう勇気の湧く一冊となっている。

アレックス流、人脈を広げるための3つのルール。

【1】自分を愛すること。
人に受け入れてもらうために最も重要で最も難しいのは、自分らしくいることです。クインシー・ジョーンズは、自分自身が自分を愛さなければ、誰もあなたを愛することはできないと言っていました。パーティで石のように自分自身を閉ざしてしまう人もいれば、会場にその人が入った瞬間に、場の雰囲気がパーッと明るくなる人もいる。自分自身をどれだけ愛しているのかでこうした違いが生まれるんです。

【2】交渉はせず、人間対人間として関わること。
ビル・ゲイツに上手な交渉の仕方を聞いたら、“その秘訣は交渉しないことである”と言われました。打算的な気持ちで接するのではなく、ちゃんと人と人としてつながり、純粋に信頼し合える関係を築くことが重要であり、最強の交渉戦術だと。特に自分が無名の存在なら、相手に信用してもらえない限り一緒にビジネスをしてくれるわけがないし、逆に友人になってくれたら、その時点で交渉なんて必要ありませんから。

【3】自分がそこから何を得たいか、を認識する。
自分らしくいるためのコツでもあるのですが、何か不安を感じていたら、自然体でいることはできません。そんな時は自分が求めているものを見失っていることが多いんですね。例えば、パーティに参加する時には、自分がそこから何を得たいのか、ビジネスでつながりたいのか、友人と会いたいのか、ただリラックスしたいだけなのかを確認することで、緊張がほぐれ、人とのコミュニケーションも円滑になると思います。

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『サードドア 精神的資産のふやし方』

大学入学後、たった1ヵ月で目標を見失った18歳のアレックス・バナヤンが、ふと米国著名人にキャリアの足がかりをどうやってつかんだのかを聞く旅に出ようと考え、それを実行していくノンフィクション。東洋経済新報社/1,800円。

アレックス・バナヤン

1992年ロサンゼルス生まれ。2018年『The Third Door』(『サードドア 精神的資産のふやし方』)を上梓。『フォーブス』や『ビジネス・インサイダー』誌で30歳未満の注目人物に選出。世界中のビジネス・カンファレンスや企業で講演し、サードドアの精神を広めている。

photo/
Aya Kawachi
text/
Hiroya Ishikawa

本記事は雑誌BRUTUS902号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は902号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.902
バンコク 見る、買う、食べる、101のこと。(2019.10.01発行)

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