エンターテインメント

本と人との出会いのために、デザインができること。| 佐藤亜沙美

本を作る人。

No. 899(2019.08.16発行)
ますます!おいしい酒場。

サトウサンカイ デザイナー 佐藤亜沙美(第4回/全4回)

新しいデザインが新しい読者を生み出す。アートディレクターを務める『文藝』の重版&3刷のニュースも記憶に新しい、佐藤亜沙美さんが書籍のデザインを通して届けたいものとは。

前回に引き続き、書籍デザインについて教えてください。
佐藤亜沙美 
打ち合わせで造本プランを提案して、著者の方や編集者さんと世界観を共有できたら、次はどんな紙を使ってどんな加工をしたいかなど、リアルな金額のお話になります。見積もりの段階でプランが変わることもありますが、書籍のデザインって、著者、編集者、デザイナーと制作担当者と関わるプレーヤーが少ないので、プランに沿って最後まで辿り着ける稀有なメディア。私にとってはこの点が、書籍デザインに携わる動機や理由にもなっています。
蛍光のピンクや黄色を効かせるなど、ポップでパンクなデザインが多いですよね。
佐藤 
日々新刊が出て、書店に並ぶ本も1週間でガラッと変わるような出版状況のなかで、この一冊に目を留めてもらいたい。本が好きな人だけでなく、あまり本を読まない人にも手に取ってほしい。そのためにデザインでできることは何なのかを考えて、デザインにフックを作りたいという思いで、蛍光色や特色インク、紙の加工も多用します。
多彩なジャンルの書籍を手がけられていますが、受注の決め手はどんなところ?
佐藤 
この春手がけた『ママは身長100㎝』という本などはまさにそうなんですが、立場の弱い人たちが発する“小さな声”を届けたいという気持ちがあって、そういうお仕事が増えてきていると思います。私自身がそういう本に力をもらってきたし、これからも世界の見方を教えてほしい。本の力で世界を広げてほしいと思っています。(了)
『ファッションフード、あります。』の資料。

専門書から漫画まで、手がける本のジャンルは様々だ。

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さとう・あさみ

1982年生まれ。2014年〈サトウサンカイ〉設立。最近手がけた書籍に『どうせカラダが目当てでしょ』『セックスのほんとう』『泣きたくなるほど嬉しい日々に』などがある。

第1回第2回第3回第4回

写真/
角戸菜摘
文/
鳥澤 光

本記事は雑誌BRUTUS899号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は899号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.899
ますます!おいしい酒場。(2019.08.16発行)

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