ライフスタイル

1号ごとにデザインフォーマットを作り替える。

本を作る人。

No. 897(2019.07.16発行)
決闘写真論
3年半前のリニューアルから関わった『クイック・ジャパン』。
作業の締めは怒濤の目次作り。

サトウサンカイ デザイナー 佐藤亜沙美(第2回/全4回)

『クイック・ジャパン』のリニューアル時にはアートディレクターを務め、『装苑』のデザインも何度か手がけた佐藤亜沙美さん。サブカルチャー系雑誌ならではのデザインの工夫とは?

かつては『クイック・ジャパン』のアートディレクションを手がけられていた佐藤さん。雑誌によってデザインへのアプローチは変わるんですか?
佐藤亜沙美 
『クイック・ジャパン』は2016年から3年間デザインを担当しました。1号ごとに取り上げる人もテーマも違うので、毎号フォーマットを作り変えていました。特集が立ち上がると、今回はクラシックか、ポップか、パンクか、この人ならサイケデリックな感じが似合いそうだとか、編集者とやりとりしながら特集のトーンを探っていきます。タイトル周りの処理、書体の選定など作業はいろいろあるのですが、毎回一番パワーを使うのが特集ごとの色を見極めていくことでしたね。
トーンが決まると?
佐藤 
台割という一冊全体の設計図を、折の境目、つまり紙がどこで切り替わるかが一目でわかる「ビジュアル台割」に作り替えます。それを基に、紙がここで替わるからこの企画を2ページ減らしてほしいとか、編集部や印刷所とすり合わせを重ねます。この「ビジュアル台割」は祖父江慎さんが発明したもので、私も活用させていただいています。『クイック・ジャパン』では、一冊の中で10種類もの紙を使ったり、インクを変えたり、部分部分での変更が多かったんです。そこで混乱を避けるためにも「ビジュアル台割」を刷りの現場とも共有していました。タイトルが変わった、これが入った、入らなかった、と様々な変更があり、最後の最後に目次を作って表紙を完成させ、印刷所へ渡してようやく終了です。(続く)
ライフスタイルカテゴリの記事をもっと読む

さとう・あさみ

1982年生まれ。2014年に独立し、デザイン事務所〈サトウサンカイ〉をスタート。書籍のデザインに加え、この春から文芸誌『文藝』アートディレクターを務めている。

第1回第2回第3回第4回

写真/
角戸菜摘 
文/
鳥澤 光

本記事は雑誌BRUTUS897号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は897号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.897
決闘写真論(2019.07.16発行)

関連記事