ライフスタイル

糸雛

みやげもんコレクション

No. 895(2019.06.14発行)
名古屋の正解
糸雛1組4,000円(鹿児島ブランドショップ☎099・225・612 0)。

顔がわからない? だからこそ表情豊かに 想像できる紙雛。

 一見、頭がついていないように見えるこの雛人形は、「糸雛」と呼ばれる鹿児島県に伝わる伝統工芸品です。地元では「カンビナ(紙雛または神雛)」とも呼ばれます。和紙の着物の中には、1本の割竹が入っており、その先には、麻糸が付けられています。この竹の部分を首、麻糸を髪の毛に見立てた人形です。表情は描かれておらず、その分、思い思いの表情を自分でイメージすることができます。頭は簡素でも、着物は豪華。和紙を幾重にも重ねて襟元を作り、正面にはきらびやかな「垂れ絵」が描かれます。

 その始まりは江戸時代まで遡り、戦前は桃の節句の日に、その年に女の子が生まれた家へ贈る習慣がありました。毎年、節句になると、贈られた糸雛をズラリと並べて飾ったそうです。残念ながら今はこの習わしはなくなってしまいましたが、糸雛は昔と変わらない手法で作り続けられています。かつては50㎝を超える大きなものもあったそうですが、今は手のひらサイズの小さなものなども増え、しおりの代わりに使うなど、新しい形で、また地元の人々に愛されています。

ライフスタイルカテゴリの記事をもっと読む
edit/
Shogo Kawabata

本記事は雑誌BRUTUS895号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は895号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.895
名古屋の正解(2019.06.14発行)

関連記事