南部:元祖イタリア料理は素材の豊かさ、 地中海式でヘルシーな料理。

イタリア20州の20皿。

No. 893(2019.05.15発行)
新・日本のイタリアン。

ブッラータとペペロナータ

プーリア州

日本でもブームとなったブッラータの本場。生クリームと糸状に裂いたモッツァレラを同じ生地で巾着状に包んだチーズ。切ると中身がトロリ。外と内、硬軟の食感の違いを合わせて食べる。同じく州名産の豚の首肉サラミ、カポコッロや野菜のマリネなどと一緒に食前を盛り立てる。

マテーラ風ミネストラ

バジリカータ州

マテーラは、洞窟住居群が有名な町。面積は小さく、急傾斜の厳しい地形が多い。切り崩して穀倉地帯となったのがマテーラ。硬質小麦、カラス麦や様々な豆類が栽培され、素朴な農民料理が今も残る。野菜と豆のスープ、ミネストラもその典型。地味ながら野菜も豊富な“素材大国”である。

ムルセッドゥ

カラブリア州

イタリアの爪先。海に面した断崖の柑橘畑は瀬戸内を彷彿とさせるが、風景はもっと荒涼としている。ベルガモットは特に有名。アブルッツォ同様、唐辛子をよく使う。ムルセッドゥは、豚モツの唐辛子煮込みで、ピッタという袋状のパンでパニーニにしたり、タルトにして食べることもある。

アクアパッツァのパッケリ

カンパーニア州

乾燥パスタの聖地、そしてトマトとパスタが出会ったのがナポリ周辺。良質な硬質小麦と水質、ヴェスヴィオ火山からの乾燥した風が、17世紀頃からパスタ工房を増やす。パスタの生産量が上がり、観賞用だったトマトが食用となってパスタソースになったのは18世紀。数多くの乾燥パスタの中でも粉の風味を楽しむなら、噛み応えあるパッケリがいい。魚をオイルと水でシンプルに煮たアクアパッツァの汁をパスタに吸わせて、だしと粉の風味を堪能できる。

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作ってくれた人

小池教之

こいけ・のりゆき/1972年埼玉県生まれ。〈ラ・コメータ〉〈パルテノぺ〉ほかで修業の後渡伊。2003〜06年イタリア6州7店舗で修業。帰国後〈インカント〉シェフを経て独立。

オステリア・デッロ・スクード/東京都新宿区若葉1−1−19 Shuwa house 101☎03・6380・1922。18時〜22時LO。日曜休、月1回不定休。要予約。コースはプリフィクス4品5,940円〜。500円(ミネラルウォーター、パン代含む)。季節ごとに特定の州の料理を展開。夏はトレンティーノ=アルト・アディジェ州を特集。

北部中部南部島部コラム

photo/
Chihiro Oshima
text/
Kaori Shibata

本記事は雑誌BRUTUS893号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は893号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.893
新・日本のイタリアン。(2019.05.15発行)

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