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人と人との繋がりをきっかけに、翻訳の世界へ。

本を作る人。

No. 892(2019.05.01発行)
居住空間学2019
フランス語圏のマンガ=バンド・デシネといえば、日本で真っ先に名前が挙がるのが原正人さん。これまでに70点近くを訳してきた売れっ子に、翻訳家という仕事について教えてもらった。

翻訳者 原 正人 (第1回/全4回)

バンド・デシネ(BD)の翻訳と紹介を続けられている原正人さん。BDとの出会いはどんなものだったんですか?
原正人
20年ほど前、フランス語の先生にメビウスの『エデナの世界』を借りたのが最初です。まさか後に自分がそれを翻訳することになるとは思いませんでしたが(笑)。鳥山明の一枚絵の雰囲気に似ているな、線の整理されている感じやカラーリングがいいな、などと思ったものの、BDと再会するまでにはしばらく間が空くんです。
急激にBDにハマったというわけではないんですね。
転機になったのは、とあるパーティで、後にBD専門誌『ユーロマンガ』を立ち上げるフレデリック・トゥルモンドに出会ったこと。当時はBDについて鋭意勉強中だったので、学んだことをアウトプットする意味で、SNSで〈BDについてもっと知りたい〉というコミュニティを、その後リアルで〈BD研究会〉を作りました。そこで月1回集まって情報交換したり、発表したり、と2年ほど活動していたら、フレデリックが出版社を立ち上げるという。僕は仲間と一緒に作品を訳してみたことはあったけど、プロとしてはもちろん未経験。それでもありがたいことに声をかけてもらって、最初の翻訳仕事が世に出たのが『ユーロマンガ』創刊号でした。ダブルワークしながら翻訳して、作家の来日時にはコーディネーターもして、大変でしたがとてもいい経験でした。それから2年後にはフリーランスになり、初めての単行本も出版されました。

(続く)

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はら・まさと

1974年生まれ。2008年、『ユーロマンガ』でのデビュー以降、フランス語圏のバンド・デシネの翻訳と紹介を続ける。『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』監修。

写真/
角戸菜摘
文/
鳥澤 光

本記事は雑誌BRUTUS892号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は892号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.892
居住空間学2019(2019.05.01発行)

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