エンターテインメント

FBIが認めざるを得なかった、マイケルの「無実」。

西寺郷太のポップ警察〜名曲・珍曲・捜査録〜

No. 892(2019.05.01発行)
居住空間学2019
MJ入門に欠かせない名盤。 『オフ・ザ・ウォール』マイケル・ジャクソン

 我が国が「令和」に改元される今年2019年は、マイケルが50歳で亡くなってから丸10年。彼の訃報が届いた09年6月25日のことを鮮明に覚えている方も多いはず。彼がジャクソン5のリード・シンガーとしてデビューしたのは、1969年秋のことでしたから、今年はデビュー50年の節目、さらに僕の人生の一枚『オフ・ザ・ウォール』のリリースが79年ですから『オフ・ザ・ウォール』も40年のアニヴァーサリーで……と、言い始めたらキリがないですけど(笑)。

 去年のお盆に、NHK−FMで5日間連続でマイケルの特番を放送したんです。僕がMCと構成や選曲を担当しまして。その放送が大反響で、4月から毎週日曜日夜9時のレギュラー番組に!

 実は、3月3日と4日にアメリカの老舗ケーブルテレビHBOで、『Leaving Neverland』というマイケルを少年性虐待者だと告発する“ドキュメンタリー”が放送され、世界的に波紋を呼んで少し心配もしました。監督は自らも少年時代に性虐待を受けたと主張するダン・リード。僕も3月中旬にようやく手にいれたんですが(4時間! 長すぎて苦痛)、これが事実や背景を知る者からすれば突っ込みどころ、矛盾が満載で。今になって、世界中から時系列のめちゃくちゃさを指摘され、監督はころころ証言を変え「俺はマイケルジャクソンのことをたいして知らないんだ」と逆ギレ?中。

 冷たく聞こえるかもしれませんが、僕にとってはマイケルよりも僕自身やノーナ・リーヴスの小松シゲルや奥田健介、僕らのバンドのファンの方が大切です。西寺郷太の信頼が第一。マイケルに関して、26年間調べ続けてきた僕ですら「性犯罪者」だったとする確かな証拠があれば、完全に認めます。

 ただし、結局のところ、これは冤罪なんです。それを証明するのは皮肉にも、長年(93年の最初の民事訴訟から亡くなる09年まで16年間)徹底的にマイケルをマークし捜査してきたFBIを筆頭に、ロス市警、地元サンタバーバラ警察、途方もない額の市民の税金を注ぎ込んで逮捕、有罪に持ち込もうとした「敵」の存在。結局、どの組織もが16年も追いかけて「無実」と結論づけざるを得なかったのですから。

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『オフ・ザ・ウォール』

マイケルジャクソン
1979年発売。プロデュースはクインシー・ジョーンズだがマイケルの自作曲やアイデアが満載。ソロとして通算5枚目だがファーストといっていい一枚。

にしでら・ごうた

ノーナ・リーヴスのアルバム『未来』発売中! NHK−FMで『ディスカバー・マイケル』放送中。聴いてね!

文・題字/
西寺郷太
編集/
辛島いづみ

本記事は雑誌BRUTUS892号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は892号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.892
居住空間学2019(2019.05.01発行)

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