エンターテインメント

五線譜の家

菅原 敏「詩人と暮らし」

No. 892(2019.05.01発行)
居住空間学2019

最後の一日には
(D.C.)が振られ
ぐるりとはじまりに戻り
(Fine)の記号は消され
永遠に繰り返す
サティの曲みたいに 
溜め込んできた悲しみが
顔に刻まれる頃でもあるけど
こうしてまた春が来て
またもうすぐ夏が来て
わたしたちは白と黒の
懐かしい未来を
永遠に繰り返す

【memo】D.C.(ダ・カーポ)は「はじまりに戻る」、Fine(フィーネ)は「終わり」。1914年に発表されたエリック・サティによるピアノ小曲集「スポーツと気晴らし」。その第16曲として収められた、永遠に終わらない「タンゴ」という曲が好きです。昨年末、私の二篇の詩が合唱曲になりました。この春夏、楽譜が出版されるようで楽しみです。(敏)

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すがわら・びん

詩人。新詩集『かのひと 超訳 世界恋愛詩集』(東京新聞)発売中。国内外での朗読公演など幅広く活動中。

編集/
西野入智紗

本記事は雑誌BRUTUS892号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は892号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.892
居住空間学2019(2019.05.01発行)

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