その他

ハゲとタトゥ。

男の色気

No. 891(2019.04.15発行)
曜変天目 宇宙でござる!?

 最近、海外で頭にタトゥを入れているヒップホップアーティストをよく見かける。額に十字架を彫り、さらに絵柄や文字を頭頂部や後頭部に入れている。ちょっと前には首や顔に入れているモデルがメディアに登場していたけれど、ついにタトゥアートは頭にまで辿り着いた。しかし、頭に入れるとなると、髪の毛は邪魔になる。となると頭タトゥは、ハゲだけに許されるキャンバスと言える。ハゲは天が選ばれし者に与えた恵みであると唱えてきた俺からすると、頭タトゥもハゲのメリット、優越性を証明しているものにほかならない。しかし、入れ墨は骨に近いところがより痛いと聞いたことがあるから、頭に入れるというのは、相当痛いのではないか? それだけでもリスペクトだが、ここである重要なことに気づいた。よく、酔いつぶれたハゲの頭にマジックで七三分けのヅラを落書きするが(俺も何度も描かれた)、頭タトゥで髪の毛を描くこともできるはずだ。しかし、髪形を入れ墨で描いた者など見たことがない。彼らはきっとハゲに誇りを持っている。タトゥを入れることができるハゲ頭に。髪の毛を切望して、それをヅラ・タトゥなどにする者などいないのだ。天晴れ、ハゲ・タトゥ 俺もかくありたい。が、その勇気はない。

矢口憲一

やぐち・けんいち/1975年生まれ。ヘア&メイク兼ハゲ探求家元。2015年に帽子を脱ぎ捨てる。弊誌ほか多数の媒体で活躍。美容室〈駿河台矢口〉店主。

illustration/
Aiko Fukuda
edit/
Asuka Ochi

本記事は雑誌BRUTUS891号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は891号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.891
曜変天目 宇宙でござる!?(2019.04.15発行)

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