3歳の息子と一緒に子供番組を観ていると、自分でも幼児向けの映像を作りたい欲が高まります。やるならストップモーションアニメ。参考に世界の幼児アニメを検索して見つけた、ポーランドの幼児番組『RodzinaTreflików』は動物の一家が活躍するミュージカル。これがアクションもカメラワークも、非常にクオリティが高い。主役の家族は謎の緑色の動物で、家に住む妖精はオジサンなど、東欧らしいズレたデザインのセンスもツボ。しかし何より驚いたのは監督がマレク・スクロベツキなのです。彼は等身大のグロテスクな人形を使った実験的なストップモーション作品「d.i.m.(1992)」でデビュー。近作の「DANNY BOY」は首なし人間の世界で、ただ独り頭を持つ主人公がギロチンで首を落とす物語です。件の幼児番組は今のところ健全ですが、シーズンが進むごとに隠しきれない濃いエキスが滲み出てきているので期待しています。
- 編集/
- 松尾 仁
本記事は雑誌BRUTUS890号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は890号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。