ヒエロニムス・ボス映像。

辻川幸一郎の真夜中の一服映像

No. 889(2019.03.15発行)
服があるのに、着たいものがない?
「Buckethead - Spokes for the Wheel of Torment」(YouTubeから)。
「PARADISE - A contemporary interpretation of The Garden of Earthly Delights」(vimeoから)。

 ここ10年ほど、ヒエロニムス・ボスの怪物フィギュアを収集しています。ボスはルネサンス期に、画面中が異形の怪物で埋め尽くされる異端の宗教画を残した、謎多き芸術家。その奇怪で幻想的な作品は、後のクリエイターに影響を与え続けています。かくいう僕も、ボスフィギュアを並べた棚をボーッと眺めながら映像のアイデアを出しています。そんなボスの代表作「快楽の園」に動きをつけたBuckethead「Spokes for the Wheel of Torment」のMVは、はっきり言ってバカ映像ですが、音とのリンクが絶妙で中毒性高い。絵画につけるモーションのセンスが良く、どの怪物も違和感なく狂宴を繰り広げます。ボスの出身地オランダのSTUDIO SMACKが制作した「PARADISE」は「快楽の園」を現代的に解釈して作られた4K映像。高解像度でそれぞれが独立した怪物たちが、同時多発で蠢く映像は、まさにボスの精神を継承した映像です。

つじかわ・こういちろう

映像作家。監督作Cornelius「Like a Rolling Stone」MVは「快楽の園」を志向した同時多発コマ撮り。

編集/
松尾 仁

本記事は雑誌BRUTUS889号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は889号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.889
服があるのに、着たいものがない?(2019.03.15発行)

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