仕事書籍・読書

復刊本とオリジナル本を、10年間で30冊。

本を作る人。

No. 889(2019.03.15発行)
服があるのに、着たいものがない?
一人出版社をスタートしてからちょうど10年。絶版になっていた本を復刊するのとはまた違った、書き下ろしのオリジナル本の島田さん流の作り方と、次に作るべき本との出会い方。

夏葉社 代表 島田潤一郎(第2回/全4回)

夏葉社から最初に出された『レンブラントの帽子』は復刊本でした。書き下ろしの本も出版されていますよね。
島田潤一郎
これまで30冊の本を出したんですが、半分が復刊、半分がオリジナル。オリジナルの割合は年々増えていて、最初に出したのが2012年の『冬の本』です。とにかくたくさんの人に冬の本について書いてもらうことにしました。
角田光代、穂村弘、又吉直樹、町田康など豪華なラインナップですが、84人の執筆者への依頼はどう進めたんですか?
島田 
「このお題なら書いてもいい」と思ってもらえる切り口を考えて冬の本とテーマを定め、和田誠さんに装幀をお願いし、新書版サイズというところまで決めてから依頼を始めました。お願いするのは売れそうな人ではなくて好きな人。手紙やメールやファックスのやりとりをしたい人ですね。この本はライターの北條一浩さんと一緒に作ったんですが、お互い干渉しないというルールにして、それぞれが好きな人にアプローチしました。1人見開き2ページ、あいうえお順で最後は和田誠さんになる予定でしたが、和田さんは書いてくれませんでした(笑)。
次に作る本って、どんなふうに決められるんですか?
島田
2冊目に出した『昔日の客』は、京都の古本屋・善行堂の山本善行さんが薦めてくれた本を復刊したもの。神保町で探したんですが出会うことができず、国会図書館で読んでみたら、ジャケットも素晴らしいしとても面白くて、その日のうちに出版を決めました。

(続く)

しまだ・じゅんいちろう

1976年生まれ。2009年に夏葉社を立ち上げる。一人出版社について、本について書いた著書『あしたから出版社』(晶文社)、共著『本を贈る』(三輪舎)がある。

写真/
角戸菜摘 
文/
鳥澤 光

本記事は雑誌BRUTUS889号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は889号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.889
服があるのに、着たいものがない?(2019.03.15発行)

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