音楽・ラジオ

ミレニアル世代を牽引する、27歳ミュージシャンの同世代トーク。

BRUTUSCOPE

No. 889(2019.03.15発行)
服があるのに、着たいものがない?
ハマ・オカモト(左)角舘健悟(右)

新譜を発表したYogee New Wavesの角舘健悟と、OKAMOTO'Sのベーシスト、ハマ・オカモト。2人の音楽のルーツとは?

共に1991年東京生まれ。共通点も多い2人の出会いは、高校時代まで遡る。同時代東京で過ごしてきた2人のミュージシャンの原点と現在。

ハマ・オカモト
健悟との出会いは17、18歳くらいかな。よくミュージシャンが言う、「ライブハウスで知り合ったんですよ」というヤツです。下北沢Garageだよね。
角舘健悟 
そうだね。でもハマくん怖かったんだよね、その頃。髪が長くて、ひげが生えてて(笑)。
ハマ
だからさ、最近こうしてよく話すようになって、当時は怖かったとかあまりしゃべってないなんて言われると傷つくのよ(笑)。僕はずっと、昔から知ってる音楽をやっている仲間だと思っていたから。まぁ健悟の言葉を借りるなら、仲良くなったのは最近だってことで。
角舘
多分、気軽に友達になれちゃうからあえて距離を保っていたかも。同じ東京出身だし、ライバル視はしてたよね。対バンできるくらいになってから友達として会いたい、みたいな。同世代って意識するし。
ハマ
フィルターはあるよね。
角舘
こいつ、同い年なのにやるなぁ、みたいな。ハマくんはベースうまいから、やる〜っ! って、ずっと思ってて。僕がYogeeとして活動を始めた頃は、シティポップムーブメントみたいなのがあって、心強い半面、ちょっと気持ち悪いなぁとも思ったり。今は抵抗ないけど、最初の頃は違和感と申し訳なさ。全然シティポップのクオリティに辿り着けていないのに、リバイバルとしてシティポップの冠がつくのは光栄だけど、いいの? みたいな。
ハマ
当時から、そういう音楽はよく聴いていたの?
角舘 
全然。なんならパンクとかアンダーグラウンドっぽいものが好きで、めちゃくちゃ雑食だからパンク、メタル、ファンクにも行くんだけど、ニュー・マスターサウンズとか、ベイカー・ブラザーズとか。ホワイト・ファンク系だね。
ハマ
僕は圧倒的にベイカー・ブラザーズ派。いまだにすごく好きだけど、この話をしたのは初めてかも。あのバンドをピンポイントで挙げる人に初めて会ったよ!
角舘 
僕はもともとドラマーで、パンクやファンクバンドをやっていたから。Yogeeで初めて歌を歌うようになったんだよね。
ハマ
そう。出会った頃は違う感じのバンドをやってたよね。
角舘 
歌自体は、サニーデイ、ユーミン、山下達郎さんとかが大好きで。で、ずっとバンドの後ろでドラムを叩きながら、ファンクやパンクで曲を書いていたんだけど、なんか愛は押し付けがましいと伝わんない! て気づいたの。ちゃんと言葉をつながなくちゃと思って、色々やめてYogeeに絞ったんだよね。
ハマ
僕は中学の軽音楽部で楽器を始めて、上級生に感謝するわけではないけれど、結果よかったと思うことは邦楽をやらない暗黙の了解が当時の部内にあったこと。僕らが14歳くらいの頃って、アジカンやチャットモンチーだったり日本のバンドも盛り上がっていたけど、その最中、先輩たちがやっていたのはツェッペリンやクリーム。60〜70年代の主に英ロックがいわゆるお手本だった。当時、大手CDショップで名盤1,000円みたいなキャンペーンをよくやっていたけど、やたらに買えないし、YouTubeもまだ今ほど盛んではなかった。
角舘 
動画サイトでいうと、ハマくんは配信コンテンツの「McGuffin」でMCやってるじゃない。「ミレニアル世代の“きっかけ”になるコンテンツ」。なかなか、いいよね。
ハマ
ミレニアル世代って、今は綺麗にいわれるようになったけど、僕らはゆとり教育だなんだと散々コキ下ろされてた世代で。
角舘
そうだよね。
ハマ
音楽的に年齢は関係ないと思いつつ、カルチャー的には年が離れていてもきちんと話ができるような景色は見てきたと思う。入学祝いの花形といえばMDプレーヤーだったし、VHSも経験してるから巻き戻しボタンの意味もわかる。なんならウォレットチェーンも付けてたし。日本ノスタルジックもギリギリ経験できて、一応一通り味わえた気がする。
角舘
ラッキー世代だよね。僕はどの時代でも、27歳はいろんなものを掴み取ってドシンッと置く世代だと思ってる。2019年現在の27歳が熱いと言ってくれるのは嬉しいけど、10年ずつ遡っても、きっとどの時代の27歳も熱かったと思う。だから今、その世代というか27歳としてのタイミングが来ていて、かつ自分のセンシティブな部分もありつつ、世の中に還元しなければいけないモノを見つけつつある。それを確実に仕留めて、なしとげるぜ! バシッと還元すっから待ってろよ、みたいな。
ハマ
それだね、それ!

『BLUEHARLEM』

昨年10月に配信限定でリリースされた「Summer of LOVE」を含む全10曲収録の3rdアルバム。初回限定盤付属のDVDには昨年3月より台湾香港・タイ・中国で開催した『Bluemin' Days ASIA TOUR』のドキュメンタリー映像やライブ映像なども収録。3月20日発売。

ハマ・オカモト

1991年東京都生まれ。ベーシスト、ロックバンドOKAMOTO'Sのメンバー。8thアルバム『BOY』を引っさげての全国ツアーが4月6日よりスタート。6月27日のツアーファイナルは日本武道館でのワンマン公演。

かくだて・けんご

1991年東京都生まれ。ロックバンドYogee New Wavesのギターボーカル。フジテレビ関西テレビ系番組『7RULES』のナレーションも担当。6月8日より全国ツアー『TOUR BLUEHARLEM 2019』開催。

photo/
Koichi Tanoue
text/
Chisa Nishinoiri

本記事は雑誌BRUTUS889号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は889号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.889
服があるのに、着たいものがない?(2019.03.15発行)

関連記事