美術

(Female Figure)(2014)| ジョーダン・ウルフソン

チンキビジュツ〜世にもおかしなアートの世界〜

No. 887(2019.02.15発行)
平凡ブルータス

ゾッとするほど醜い魔女のような仮面をかぶった、肌も服も薄汚れた女性型のロボット。おなかのあたりを金属の棒で鏡に固定され、その場から離れることもできずに、ダンスを披露してくれます(ある意味、ポールダンスですね)。レディー・ガガの曲に合わせ、挑発的に誘うようにして。それでも、機械的に繰り返される一連のダンスは恐ろしく奇妙。さらに、鏡に映る自身の踊る姿を否応なしに眺めているのかと思いきや、仮面の下から覗く視線はちろりちろりと、どうやら彼女を眺めている私たちの姿を追っているらしいのです。オッパイもフトモモも素敵な彼女ですが、はて、セクシーってなんだっけ。この空間では「見て」と「見ないで」の感情が複雑に絡み合って、自分にも潜むであろう性的倒錯に気づかされることになりそうです。1980年ニューヨーク生まれのジョーダン・ウルフソンが、映画『メン・イン・ブラック』のSFX制作チームと生み出したこのロボット。彼女がダンスをやめるのを許されるのは、いつなのでしょう。

中村志保

Courtesy of the artist and David Zwirner, New York/
London

本記事は雑誌BRUTUS887号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は887号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.887
平凡ブルータス(2019.02.15発行)

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