映画

福島とハワイをつなぐ、 “フクシマオンド”。

みんなの映画 by Takashi Homma

No. 887(2019.02.15発行)
平凡ブルータス
©2018テレコムスタッフ
ホンマタカシ(以下H) 
ハワイハワイと夢みて来たけどー、らららー。
BRUTUS(以下B) 
おっ、歌い始めましたね。いまだに避難先で暮らしている福島県双葉町の人々が守り続けていた「盆唄」をめぐるドキュメンタリーです。実は100年以上前に福島からハワイに移住した人々が伝えた盆踊りがフクシマオンドと呼ばれ、今もなお現地の日系人に愛されていることを知り、双葉町の唄い手や太鼓の名手がハワイ・マウイ島へと向かうことから物語は動き始めます。確かに、観終わっても、頭の中で唄が流れていますね。
H 
いやあ、当然、福島の豊作の唄もいいけど、ハワイに移民した方々の唄うサトウキビ農場の苦労の仕事唄が個人的には一番効いたかも。
B 
心にグッとくる共通する何かがありますよね。
H 
盆唄もなくなりつつあるだろうけど、仕事唄っていうのも本当に絶滅気味だろうね。小泉文夫先生(*1)を継いでる人たちっているのかな?
B 
急に映画から離れましたね(苦笑)。
ところで? 映画に出てきた岩根愛さん(*2)の写真集いい
B 
岩根さんは福島にも拠点を構え、移民を通じたハワイ福島の作品の制作を続けています。
H 
あと、回転するパノラマカメラの写真もすごくいいね。
B 
ベタ褒めですね。
H 
はっきりいって映画よりいい
B 
どっちもいいですよ

*1 1927年東京生まれの民族音楽学者。書籍には『日本の音 世界のなかの日本音楽』など。*2 東京都生まれの写真家2018年に、ハワイ福島をつなぐ“ボンダンス”を追った写真集『KIPUKA』を発売。

『盆唄』

監督:中江裕司/出演:福島県双葉町の皆さん、マウイ太鼓ほか/声の出演(アニメーション):余貴美子、柄本明、村上淳、和田聰宏ほか/2月15日、テアトル新宿ほかで全国順次公開。

本記事は雑誌BRUTUS887号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は887号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.887
平凡ブルータス(2019.02.15発行)

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