ハゲとスタイリング剤。

男の色気

No. 887(2019.02.15発行)
平凡ブルータス

仕事柄、いろんなスタイリング剤を試す。クラシックな七三分けなら、昔からあるロックンロールな人がつけていた石油系のポマードが断然ビタッとキマる。熱を加えると溶けて乾き、スタイリングが崩れない。水溶性のポマードなんかじゃ出せないめちゃくちゃ良い質感が出る。だが、撮影で使ったら、シャンプーを5回しても全然落ちないと、モデルのマネージャーからクレームが来た。最近おすすめしたいのは、ニベアの小さい青缶だ。艶っぽくならないし自然で爽やか。ヘアクリームぐらいの質感で、冬の乾燥した季節にはピッタリ。ハゲの俺なんかは、保湿にもなるし手にも顔にも塗りたくっている。先日、気に入っていつも使っている、だけど量が少なく値段の高いソフトジェルに代わるものを発見した。神保町エロ本屋で見つけたシンプルなペペローション。買って触り心地を確かめたが、いつも使っているソフトジェルに限りなく近く、値段も10分の1。薬剤師のお客様に成分を調べてもらったら、ハイオクとレギュラーの違いだけで成分は一緒ですよ、と。確かに体の特に敏感なところに使われ続けてきたローションだ。髪にも悪くないだろう。ただ、女性受けは良くない。買う時には初めてコンドームを買った時のようなちょっとした勇気が必要だ。

文・矢口憲一

やぐち・けんいち/1975年生まれ。ヘア&メイク兼ハゲ探求家元。2015年に帽子を脱ぎ捨てる。弊誌ほか多数の媒体で活躍。美容室〈駿河台 矢口〉店主。

illustration/
Aiko Fukuda
edit/
Asuka Ochi

本記事は雑誌BRUTUS887号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は887号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.887
平凡ブルータス(2019.02.15発行)

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