アート

My Calling (Card) #3(1986) | エイドリアン・パイパー

チンキビジュツ〜世にもおかしなアートの世界〜

No. 886(2019.02.01発行)
死ぬまでにこの目で見たい日本の絵100
©Adrian Piper

突然ですが、どんな名刺をお使いですか? 最近は、氏名とメアドのみが記された情報の少ないものや、LINEのIDが入ったものなど、様々な名刺を見かけますね。でも、名前どころか「お願いだから私に連絡したり触れたりしないで」と書かれていたらどうでしょう。もう本来の名刺の機能は失われてしまっているようですが、手短に自分を紹介できていいかも? ほんとは、知りたいのは名前や肩書よりも、その人の裏の部分だったりするものだし……。さて、エイドリアン・パイパー(1948年NY生まれ)は、約50年にわたり「差別」をテーマに制作を続けてきた女性です。彼女の外見からは判断しにくいですが、自身もアフリカン・アメリカンの血を引いていて、これまで嫌悪感を抱いた人種差別的な発言に対する言葉を、名刺サイズの紙片に記して配ったのがこの作品。これからは、名刺交換をしたらカードを裏返してチェックしてみちゃったりするかもしれませんね。肩書よりも、知りたいこと、伝えたいことは何? と。

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文/
中村志保

本記事は雑誌BRUTUS886号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は886号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.886
死ぬまでにこの目で見たい日本の絵100(2019.02.01発行)

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