たぐち珈琲豆店

町のコーヒーマンに聞く。

No. 885(2019.01.12発行)
おいしいコーヒーの教科書2019
偶然店に立ち寄った、田口さんの取引先でもある〈カフェアンジェ〉 のオーナーとコーヒー片手に談議。

江戸川区篠崎のコーヒーマン 田口真太郎

江戸川区・篠崎。この小さな町で、20年以上コーヒーの仕事を続ける人がいる。〈たぐち珈琲豆店〉のオーナー田口さんだ。

そもそも彼の両親は、東高円寺でカフェを営んでいた。オープンしたのは約50年前。その後、父親の出身地である篠崎で、自家焙煎の店を始める。常にコーヒーが身近にあった田口さんだが、継ぐ気はなかったそう。「篠崎に移った少しあとに母親が亡くなり、気持ちが変わりました」

そして現在の場所になるまで、篠崎の中で3回移転をしてきた。
「立ち退きだったり理由はさまざまです。10年前は本当に収入がなくてCDを売り生活をつないだり……」

そんな折、偶然来客したカフェをプロデュースする会社の社長さんと仲良くなり、新規事業に参画する。

「生豆の調達から、プロデュースする店に合ったブレンドを作ったり。それをきっかけに現在では、カフェだけでなく自家焙煎した豆を販売する専門店ともお付き合いをしています。篠崎を中心に30店舗以上です」

多くの取引先においしいコーヒーを供給する。その使命を持った田口さんは、改めてコーヒーについての勉強も始めた。豆を研究したり、〈J.C.Q.A.〉認定のコーヒーインストラクター講師の資格も取得したそう。

「わかったのは原料がすべてだということ。やっている仕事は目利きに近いんですよ。自分の店で提供するのは約10種類なのですが、ブレンド以外はほぼ毎月、新しく入荷した豆を中心に替えてます。また、まとめ買いしたり飲み比べした時に違いがはっきりとわかって楽しめるよう、香りが良く味がしっかりしたものを揃えることを意識してますね」

篠崎の町との関係も良好だ。
「20年も店をやっていると、2代目の子が豆を買いに来てくれたりするんですよ。6年前から支援を始めた〈カフェアンジェ〉のオーナーも、彼のお母さんが相談しに来てくれて。人と人のつながりを大切にしながら、篠崎の町でコーヒーの仕事を続けていきたいと思っています」

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たぐちこーひーまめてん

東京都江戸川区上篠崎4−29−11☎非公開。14時〜19時(土・日・祝11時~18時)。第2・第4火曜・水曜休。春からは、月・土・日・祝のみに営業日を切り替える予定(時間は11時~18時に統一)。店頭とWebで販売する豆は異なり、定期的に変更。http://www.taguti-coffee.com

photo/
Masataka Nakada
text/
Shun Inoue

本記事は雑誌BRUTUS885号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は885号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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おいしいコーヒーの教科書2019(2019.01.12発行)

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