カフェ

植物性ミルクのオプションが定着するNY。牛乳の次はこれ。

進化する、おいしいコーヒー。

No. 885(2019.01.12発行)
おいしいコーヒーの教科書2019

ニューヨークのカフェで今、ほぼどこでも見つけられるのが、植物性ミルクのオプションだ。かつてはソイくらいしかなかった種類も、アーモンド、オーツなどバリエーション豊富に。このムーブメントは、遡ること10年ほど前から始まったが、かつてのヘルスコンシャスな人だけのものから、幅広く愛飲されるほどに市民権を獲得。一説にはここ5年で植物性ミルクの需要は61%も上がっているというリサーチ結果もあり、スーパーやデリにずらっと並ぶその選択肢の多さに、カフェだけでなく家庭でも定着しているのが窺える。その背景には、植物性ミルクの栄養素への注目度の高まりや乳製品に含まれるラクトースのアレルギーなどが挙げられるが、それ以上に今までネックになりがちだった味が改善されていることも大きい。コーヒーをちょっと違った風味で楽しめる植物性ミルク、日本でも広がるかも?

オーガニックで保存料なし。 植物性ミルクを手作り!

Café Integral

植物性ミルクの人気に目をつけて、〈カフェ・インテグラル〉ではオーガニックで保存料なしの手作りのものを提供する。こちらのアーモンドミルクには、ペピータ(カボチャの種)やカシューナッツがミックスされる。「良質な素材を使ったフレッシュなものは味が格段に違います。しかもラテアートもきれいに作りやすい。どのカフェもコーヒーや牛乳には細心の注意を払いますが、これからは植物性ミルクにも同じくらいこだわる時代が来ますよ!」とオーナーのセザール氏。

オプションは3種。オルチャータはアーモンドミルクをベースにペピータやカシューナッツ、シナモンなどを加えた。そのまま飲むかラテに。

アーモンドミルクは、 こうして作られる。

[1] ナッツ類は1晩水につけて、翌日水を捨てて洗い、ナッツの余分な油分などを取り除く。
[2]ナッツに新しい水を注ぎ、デーツとピンクソルトを加えて、ブレンダーにかけてミルク状に。
[3]丁寧に漉せばミルクが出来上がる。
[4] 作りたてのアーモンドミルクを使えばラテアートも美しい。
[5] オルチャータ・ラテ(6ドル)とココナッツミルクのコルタード(5ドル)。

味はもちろん、ラテアートの作りやすさも重要。

Birch Coffee

オープンした9年前から植物性ミルクを取り扱い続けているという〈バーチ・コーヒー〉。1号店のフラットアイアン店では、ヘンプ、ソイ、オートミルクの3つのオプションがある。ミルクのフォームの作りやすさは牛乳には劣るようだが、例えばヘンプやオーツはアーモンドよりも、泡立ちが良いという点で取り扱うことになったとか。味とともにラテなどの作りやすさも重要視しているそうだ。

より少ない水で栽培できると、オーツが人気。

Brooklyn Roasting Company

現在ニューヨークに7軒にまで拡大した〈ブルックリン・ロースティング・カンパニー〉のダンボ地区1号店では、ソイ、オーツ、アーモンドミルクを揃えている。「植物性ミルクにもトレンドがあって、最初はソイ、その次にアーモンドが来て、今はオーツが人気です」。アーモンドの生産に多くの水を必要とすることから、より少ない水で生産できるオートミルクに人気が移ってきているのだとか。

Café Integral
NY/Lower Manhattan
149 Elizabeth St., New York, NY 10012☎なし。7時~17時(土・日8時~)。無休。2年前にオープン。約40%の客が自家製の植物性ミルクを選ぶ。「アーモンドは、良質な脂質やビタミンなどの栄養素が素晴らしい。ゴマなど新しい素材でのミルク作りにもトライしようと思っているよ」

Birch Coffee
NY/Flatiron
21 East 27th St., New York, NY 10016☎(1)212・686・1444。7時~20時(土・日8時~)。無休。2009年にスタートし、今や10店舗を構えるNYのローカルカフェ。省エネと環境に配慮した独立系コーヒーショップとしても知られる。

Brooklyn Roasting Company
NY/Dumbo
25 Jay St., Brooklyn, NY 11201☎(1)718・855・1000。7時~19時。無休。生産者の労働環境の改善にも努め、ローストからパッケージング、販売までのすべてをブルックリンで行う。10種類以上のコーヒー豆を取り揃え、 そのほとんどがフェアトレード。

photo/
Omi Tanaka
text/
Momoko Ikeda

本記事は雑誌BRUTUS885号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は885号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.885
おいしいコーヒーの教科書2019(2019.01.12発行)

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