人生

手紙って重いですか?

箭内道彦、エリイ、大根 仁「おなやみ相談室」

No. 884(2018.12.15発行)
危険な読書

手紙を書くのが好きで、ふと思いついた時に気まぐれで、お世話になった方へ季節のハガキを出したりしています。先日、手紙を送った方から「返事を書かずにごめんなさい」とメールをもらって、気遣いのつもりが、かえって気を使わせてしまってるのかも、という罪悪感が。みなさんなら手紙をもらってどう思いますか?(会社員/29歳/女)

箭内
内容次第ではありますが、電子メールの時代に素敵な習慣だと思います。季節のハガキだなんて、いいじゃないですか。僕は返事を書かずにごめんなさいというのも返事だと思いますし、手紙に対して手紙で返事を出す必要もないと思います。さらに言えば、受け取って心のなかでありがとうと思うことだけでも返事だと思う。気を使わせてしまっているというより、こういう細やかさがむしろ、季節を感じる心や、手紙を描く習慣をお持ちの方だからこその心遣いだなと思います。あなたの罪悪感を含めて、手紙の魅力なのでは?
エリイ
ふと歩いてる時に高校の同級生がくれた手紙の一節が頭をよぎったりします。それは人生の支えになるような言葉で何件かそういうのがありそれは全て手紙からです。逆にうんざりするのがファンレター。スターの友人たちが貰った手紙をよく読むのですが揃いもそろって自分の日常生活がつらつらと書いてあり読む相手のことが考えられた良いファンレターにはほぼ出会ったことありません。一番やめた方がいいのは友人に自分の子供の写真を年賀ハガキで送る事。因みに私はよく刑務所の中の見知らぬ囚人達から手紙が届きます。
大根
手紙、良いじゃないですか。僕も「ここぞ!」というキャスティングやどうしても映像化したい原作があるときは、役者や原作の先生に直筆の手紙を書きます。逆の立場で、仕事の依頼を手紙でもらったりすると、それだけで前向きな気持ちになります。ただすべての手紙が嬉しいかというと、そんなことはなく。監督した映画に対する罵詈雑言を20枚以上も書いてきたり、出演している女優の悪口をなぜかポスカで書いて送りつけてきたり、不気味な詩が書き綴られていたり。結論、手書きは強い! いろんな意味で。

お悩み募集/nayamibrutus@magazine.co.jpへ。年末年始!

箭内道彦/2011年から50年後の福島を舞台にしたミュージカルムービー『MIRAI 2061』公開中。

エリイ/Chim↑Pomのミューズ。2019年1月26日まで、東品川〈ANOMALY〉で、Chim↑Pom個展。

大根 仁/映像ディレクター。2019年NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』に演出で参加。

イラスト/
sigo_kun
編集/
大池明日香

本記事は雑誌BRUTUS884号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は884号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.884
危険な読書(2018.12.15発行)

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