美術

liquid gravity(2013)| マイケル・ナジャー

チンキビジュツ〜世にもおかしなアートの世界〜

No. 883(2018.12.01発行)
Mid-Century in Our Life

民間宇宙旅行がちまたで話題になっているいま、その一人となるべく、着々と準備を進めているマイケル・ナジャー(1966年ドイツ生まれ)というアーティストがいます。その気概は正真正銘の“マジ”で、世界初の宇宙旅行を計画したヴァージン・ギャラクティック社のチケットを既に購入し、飛行訓練に勤しむ日々を送っているんだそう。この写真作品は、彼が2011年から制作を続ける「outer space」という、宇宙飛行へのプロセスをアート作品に仕立てることを目論んだ超壮大なシリーズ作の一つ。宇宙服姿で写っているのは、〈ガガーリン宇宙飛行士訓練センター〉で水中訓練をするナジャー本人で、宇宙と重力、人の身体の関係性を映し出そうと試みているんだとか。ただ、この作品には一点だけ加工された箇所があります。それは背景の丸窓から見える小さな地球の姿です。宇宙船の中の出来事を捉えた写真と、その写真に貼り付けられた地球の写真。さて、どちらが本物なのでしょう。まるで夢の中の夢のような光景ですね。

文/中村志保

Courtesy of Studio Michael Najjar/

本記事は雑誌BRUTUS883号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は883号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.883
Mid-Century in Our Life(2018.12.01発行)

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