人生

結婚直前のさよなら。

箭内道彦、エリイ、大根 仁「おなやみ相談室」

No. 883(2018.12.01発行)
Mid-Century in Our Life

5年付き合った33歳の彼女にせがまれつつも、結婚制度が嫌いで踏み切れずにいました。しかし昨年、一時入院して看病してもらってからやっと決意ができたんです。なのに先月、親への挨拶を前に、理由なく突然別れを宣告されました。説得するも挽回難しく、藁にもすがる思いです。最後の手段のアイデアをください。(美術家/50歳/男)

箭内
「理由がないもの」は、最も厄介です。覆すのは並大抵ではありません。33歳の決断には様々に重いものも感じますね。もう一度入院して看病してもらうというのも罰当たりですし、ここは、結婚制度が嫌いで踏み切れなかった本来の自分に戻ることができた「正常化」と捉えるのがいいのかもしれませんね。こういう時、藁にすがっていいことはない気がします。なんとか説得して挽回するとか、最後の手段を講じるというのは、今後の結婚生活のスタートとして、あまりにもハンディキャップのあるものになると感じます。
エリイ
失ってから気付いて今更ダダをこねるなんて子供じゃないですかあって自分でも気付いてるんですよねきっと。結婚制度が嫌いなら初志貫徹で、何もやなことないじゃないですか。振り出しに戻る。どんなに近しい人でも人の人生の時間は尊重したほうがいいですよね、そこでおり重なったり奏でたりするのが人間関係でそこから新たな発見もあるかと。彼女さんも新たな何かを発見したんでしょう、飛び立つ鳥は誰にも阻止することはできないのと一緒です。お二人の人生に御多幸と御発展と幸多きようにここに記しとくんでよろしく。
大根
アウトー! これだけアドバイスする言葉すら浮かばない相談も珍しいですね。自己愛・自分勝手・ワガママの塊。すべては自縄自縛・身から出た錆・ザマアミロです。僕が願うのは、あなたよりも彼女の今後の人生の幸せです。女性のゴールデンタイムをこんなクズ野郎に捧げてしまったことは取り返しがつきませんが、必ずや何かの糧になっているはず。そして、親に会う前に下した決心、素晴らしい。新しい光明が差し込むことを遠く願っております。そんでなに? 最後の手段? ないよ! せめて5年間は1人で苦しめ!

お悩み募集/nayamibrutus@magazine.co.jpへ。師走!

箭内道彦2011年から50年後の福島を舞台にしたミュージカルムービー『MIRAI 2061』公開中。
エリイ/Chim↑Pomのミューズ。作品集『We Don't Know God: Chim↑Pom 2005-2019』が発売。
大根 仁/映像ディレクター。最新の脚本監督作に『SUNNY 強い気持ち・強い愛』。http://sunny-movie.jp

イラスト/
sigo_kun
編集/
大池明日香

本記事は雑誌BRUTUS883号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は883号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.883
Mid-Century in Our Life(2018.12.01発行)

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