ライフスタイル

世に送り出される原稿を最初に読む、校正という仕事。

本を作る人。

No. 882(2018.11.15発行)
続・いまさら観てないとは言えない映画。
ダイニングテーブルに見台を据えて、ゲラを読む。

校正者 牟田都子(第1回/全4回)

フリーランスの校正者として、書籍の校正を多く手がけている牟田都子さん。その丁寧な仕事ぶりで出版社や著者からの信頼も厚い“校閲ガール”に、校正の仕事について教えてもらった。

校正者として、ナナロク社や亜紀書房、晶文社などの書籍を多く手がけられている牟田都子さん。校正ってどんな仕事ですか? 校正と校閲の違いって何ですか?
牟田都子 
あくまで私の中での区別なのですが、かつての活版印刷の時代に、手書き原稿がゲラに正しく再現されているかどうかを、一字ずつ引き合わせていくのが校正。誤字や脱字、言葉の誤用のチェックをする仕事です。それに加えて、事実関係やデータについて資料にあたりながら調べ、内容に誤りがないかどうかの確認もするのが校閲の仕事だと認識しています。ただ校閲という言葉はちょっと怖いイメージなので私自身は校正者と名乗ることが多いです。
校正の指摘で内容が変わることもあるんですか?
牟田 
牟田 内容にどこまで踏み込むかは編集者のオーダー次第なのですが、言葉の選び方や語順など、表現について提案することもあります。講談社では『群像』と『小説現代』を3年ずつ担当していたのですが、文芸ものって句読点の位置一つとっても著者の方の表現なので、実は一番難しい。ただ、新人の作家さんなど書き慣れていない方のゲラを読む場合は、校正からも指摘や疑問をどんどん入れてほしい、教えるという意味で多めに入れてやってくれ、と編集者から頼まれることもありました。講談社の校閲部は、何しろ歴史が長くて経験豊かな人材も揃っているので、非常に頼りにされている。ある意味では頼りにされすぎてしまっているところもあるかもしれませんね。(続く
本棚の一角にはこれまでに校正を手がけた書籍が。

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写真/
中村香奈子 
文/
鳥澤 光

本記事は雑誌BRUTUS882号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は882号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.882
続・いまさら観てないとは言えない映画。(2018.11.15発行)

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