アート

「赤い靴を履いてりゃ 乙なんだ」

戌井昭人『沓が行く。』

No. 882(2018.11.15発行)
続・いまさら観てないとは言えない映画。

明日があるからよけいに疲れてしまうのよ。空が曇ったり晴れたりするから腹が立つんだ。波はおしよせてはひいて、海岸にタコが打ちあげられた。恋人たちは笑いながらタコをもてあそぶ。赤い靴を履いておめかしをしたけれど、迎えが来ない。だから目印になるようにビニールを頭からかぶってみたんだ。しばらくすると空に銀色の光が見えた。あれは、ぐるぐる回る円盤だね。わたしを迎えに来たんだね。赤い靴を履いといて良かったよ。

アートカテゴリの記事をもっと読む

いぬい・あきと

〈鉄割アルバトロスケット〉主宰。野間文芸新人賞受賞。著書に『ゼンマイ』(集英社)など、多数。

編集/
村岡俊也

本記事は雑誌BRUTUS882号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は882号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.882
続・いまさら観てないとは言えない映画。(2018.11.15発行)

関連記事