書籍・読書

白い恋人

菅原 敏「詩人と暮らし」

No. 881(2018.11.01発行)
札幌の正解

雪一面の地平線
過去と未来で挟んだら
小さく歯型を残して笑う
舌に溶けゆく結晶が
世界で一番やさしい言葉を
思い出させてくれるから
手ぶくろ片方脱ぎ捨てて
真っ白なページ開いたら
そっとふたりは雪を踏む
ぱきりと折れる
小枝の音を聞きながら

【memo】1976年12月に発売され、以来北海道の銘菓として確固たる地位を築いた「白い恋人」。そのネーミングは詩作を愛した創業者の石水幸安氏がスキーをしている際に、舞い落ちる雪を「白い恋人たち」と表現したのがきっかけだそう。降り積もる雪の地層に手を差し込んで、かつての恋をひとくち頬張る。(敏)

すがわら・びん

詩人。新詩集『かのひと 超訳 世界恋愛詩集』(東京新聞)発売中。国内外での朗読公演など幅広く活動中。

編集/
西野入智紗

本記事は雑誌BRUTUS881号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は881号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.881
札幌の正解(2018.11.01発行)

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