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テーマ〈転換点〉

平常心ブラザーズの平常心を失くす日。

No. 881(2018.11.01発行)
札幌の正解
宮沢章夫、やついいちろう
やつい 
舞台、お疲れさまでした。20年ぶりの『14歳の国』いかがでしたか? 
宮沢 
やっぱり転換点だったね(笑)。あ、20年も経っちゃったかって。20年っていったら、産まれたての子供が20歳になるんだからね。当たり前のことを言ってますが。
やつい 
早稲田の学生ってことですもんね。
宮沢 
そうなんだよ、あいつら知らないんだから、当時のこと。
やつい 
びっくりしますよね。自分も当時の宮沢さんの舞台を観に行ってるし。24歳くらいで、大学出て演芸大賞をもらって、やっと芸人って言ってもいいかなって思っていたくらいのときでした。
宮沢 
なぜ俺の舞台を観ちゃったの?
やつい 
その前から宮沢さんの舞台を観に行きたかったんですよ。それで脚本だけ読んでて、初めて観たのが『知覚の庭』。
宮沢 
それで今回の舞台にも出ていた笠木(泉)を初めて観たのか。笠木とはもう二十数年付き合ってるけど、この数ヵ月で、こいつすごいコメディエンヌだって気が付いたよ。笑うよ、笠木。
やつい 
僕は、笠木さんとは同い年なんです。だからジャンプ読んでる感じっていうか。ジャンプって子供の頃には、自分の世代が大活躍してるじゃないですか。でも大人になってから読むと、登場人物子供ばっかり。演劇は大人ばっかりだったけど、初めて同世代が主役っていう群像劇でした。
宮沢 
劇中に一人ずっと栗を食べているっていう設定の女優がいて、毎日渋谷の駅前で甘栗を買って稽古場に来る。その子は当時、うちの近所に住んでたからご飯を食べにこないって誘って食べさせたのが、栗ご飯(笑)。
やつい 
ひどい(笑)。その人の栗との付き合い方の転換点になったと思いますね。
宮沢 
栗との関係を考えるきっかけになっただろうね。
やつい 
大好きだった栗も嫌いになるくらい。
宮沢 
本当に食わせたからね。申し訳なかったっていうか、芝居の『栗食べてる』って設定がもう、初めから仕組んであったような冗談だよ(笑)。
やつい 
俺、ウニが大好きで一生食えると思ってましたけど、食えないんですよ。生臭くなって。
宮沢 
でも俺、ペペロンチーノだったら毎日でもいける。
続く

宮沢章夫/遊園地再生事業団主宰。著書に『長くなるのでまたにする。』ほか、多数。

やついいちろう/エレキコミック。11月17日新宿LOFTにて、やついいちろう生誕祭。

編集・写真・文/
村岡俊也

本記事は雑誌BRUTUS881号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は881号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.881
札幌の正解(2018.11.01発行)

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