テーマ〈続々々・宴会/出遅れる〉

平常心ブラザーズの平常心を失くす日。

No. 879(2018.10.01発行)
心を開放する旅、本、音楽。
やつい ワールドカップの期間中に、パリに行ってたんです。ちょうどベルギー日本の試合の日に着いて。ベルギーフランスの隣の国だからすごい盛り上がってるんですよ。どうせ負けてると思ってバーに入ったら2−0で勝ってて、思わず叫んだら、奥から黒人が2人出てきて「日本を応援してるんだ」って。ベジータのTシャツ指して、ほら、ベジータだからって(笑)。
宮沢 フランス戦だったら、もっとすごかっただろうね。
やつい 優勝した後に、パリの友達から映像が送られてきたんですけど、地下鉄が歌ってました。歌ってる電車がホームに入ってくるみたいな。凱旋門がめちゃくちゃ凱旋門。ナポレオンが帰ってきたときみたいな騒ぎで。みんな家に帰るのに死に物狂いだって。なんて歌ってるのか聞いたら、チャンピオン、チャンピオン、世界のチャンピオンって歌ってるそうです(笑)。それ、歌か? と。
宮沢 凱旋門が、めちゃくちゃ凱旋門か(笑)。同じ頃にゼミでストリートミュージシャンを探すっていうテーマをやったんだよ。でも渋谷にも新宿にも、ほとんどいない。池袋にはいる。極端に渋谷の規制が強かったのは、その2日後にワールドカップ日本戦があったからっていうことだったと思う。
やつい フランスでは警察も喜んでるって言ってました。全然、騒いでいても止めないし、警察とハイタッチしてるって。
宮沢 それがサッカーの歴史の違いなのかもしれない。日本は野球にはもう少し寛容じゃない。阪神が優勝したときなんか、川に飛び込んでるのを止めないでしょ。
やつい タクシーなんかもバンバン窓を叩かれるんですけど、めっちゃ喜んでるって。みんな笑顔だって言ってました。大パーティ。
宮沢 それがワールドカップか。
やつい 街中が大宴会。
宮沢 それはいい。昔、大学を休学して田舎に帰ってた時、夏の甲子園静岡県大会で地元の掛川西高校が優勝したんだよ。そのときに市役所からの道をパレードしたんだけど、掛川市民6万人くらいいる中で、3万人が集まったっていう。
やつい 2分の1が街に出てたのか。すごい割合ですね。
宮沢 翌日の新聞の見出し「野球狂の街」だった。みんな来ちゃったっていう(笑)。(続く)

宮沢章夫/遊園地再生事業団主宰。著書に『長くなるのでまたにする。』ほか、多数。

やついいちろう/エレキコミック第28回発表会を10月19日・名古屋、21日・大阪で開催。

photo/
村岡俊也
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村岡俊也
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村岡俊也

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No.879
心を開放する旅、本、音楽。(2018.10.01発行)

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