日和/ALTRO!

グルマン温故知新

No. 878(2018.09.15発行)
LONDON 服の学び場。STYLEBOOK 2018-19 A/W

人気のあの店が、異ジャンルの兄弟店をオープン。

あのフレンチがイタリアンを作った? あのイタリアンがおでん店をオープン⁉ ちょっぴり意表を突くニューフェイスが、立て続けに登場。“兄”店とは異ジャンルだからこその自由さも楽しい2店は、明るいカウンタースタイルも魅力です。

焼きなすのおでん、たまご・大根 血合いが入って程よい荒々しさのある削りガツオと日高昆布を使った、風味の良いおでんだしでことこと煮込んだ定番の卵と大根は各300円。辛子の代わりに、麦味噌と和辛子をブレンドした自家製辛味噌を添えても。季節のおでんの「焼きなす」は、基本のだしに濃口醤油を効かせて仕上げる。400円。

カンパチとアボカドの梅ソース和え 脂ののったカンパチに、まろやかなアボカドとさっぱりした梅ソースを合わせた一品。おすすめのペアリングはロゼワイン。「きれいな酸味と、日本酒の甘さに通じるわずかな甘味が料理の味を引き立てます」。1,000円。

イチジクのおかき揚げ 木の子あんかけ 熟したイチジクには、柿の種とおかきを砕いたものをまぶしてカラリと揚げて。キノコをたっぷり入れてとろみをつけた熱々のあんをかける。「渋味やタンニンの少ない、柔らかい赤と合わせてどうぞ」と大本さん。900円。

料理を一手に引き受ける“キャプテン”こと料理長の望月清登さん。

明るい店内の様子は、店の前の通りからもよく見える。

日和

神泉

おでんとワインの優しい旨味が共鳴。

 神泉にある、ナチュラルワインと手打ちパスタを中心としたイタリア北部の料理が評判のバール〈アウレリオ〉。こちらのオーナー・大本陽介さんが、店の目と鼻の先にあるおでん屋さんに通ううちに、自分の好きなワインとおでんのだし、それぞれが持つ旨味の相性の良さを確信。そして、ワインが苦手だった店主の望月清登さんも、大本さんの手ほどきにより開眼! 相思相愛の結果、〈アウレリオ〉
が手がけるおでんとナチュラルワインの店〈日和〉に変身した。
 学芸大学の人気店〈件〉を経て独立した望月さんのおでんは、柔らかい、まあるい味わいが特徴。それは、大本さんがイタリアを回っていた修業時代に出会ったワインにも共通する持ち味だ。来日した生産者が、望月さんのおでんだしを評して「自分の造るワインの味と似ている」と言ったこともあるとか。
 おでんとワインが互いに寄り添い、体に優しく染み入るよう。うっかり飲みすぎ、にご注意。

ALTRO! ボロネーゼ 手打ちタリアテッレ 黒トリュフ 牛と豚の挽き肉をベースに鶏ハツや砂肝も合わせることで食感や旨味がUP。赤ワインを使わずに白ワインで煮込んだあっさりタイプのボロネーゼは、店名を冠した自信作だ。仕上げに、黒トリュフとチーズをふんだんに削って。自家製の平打ちパスタにソースがよく絡む。1,900円。

ホタテとカラスミの冷たいカペッリーニ 冬瓜のソース こちらは、アンティパストとしての冷製パスタ。アサリと昆布、干しエビと共に軟らかく煮た冬瓜をソースにし、ホタテとカラスミと合わせている。さまざまな旨味が重なり合う一皿だ。900円。

牛舌のストゥファート ポレンタと新百合根 牛タンを、じっくりと蒸し煮にしたメインディッシュは、ナイフを入れただけで崩れるような軟らかさ。シンプルながら、旨味が凝縮されている。甘味のあるポレンタと、新ユリ根のソテーを添えて。1,990円。

店名入りのキャップがお似合いのシェフ・榎大輔さん。

店の顔となるカウンターには、厚さが7㎝もある無垢のタモ材を使用。

ALTRO!

●恵比寿

ありそうでない、を叶える快適イタリアン。

 おまかせコースのみのレストランが全盛の今、アラカルトメニューから自由にオーダーできる店は案外貴重だ。LOが遅く、それでいて明るい雰囲気で居心地のいいカウンターというスペックが揃っている店も、ありそうでない。使い勝手良好なイタリアンが誕生した! と思ったら同様のスタイルで人気のカジュアルフレンチ、麻布十番〈カラペティバトゥバ!〉が手がける兄弟店だった。大いに納得。
 シェフの榎大輔さんとマネージャーの小池純平さんは、イタリアンレストラン〈カノビアーノ〉で共に働き意気投合。その後、榎さんはNYのイタリアン〈バスタパスタ〉で修業し、小池さんはオーナー・長雄一さんの柔軟なサービスに定評のある〈カラペティバトゥバ!〉に勤務。おのおの経験を積んだ2人が、タッグを組んだ。新ユリ根、金時豆など和素材も取り入れる伸びやかな料理と、「熟旨」など、味の特徴を一言で表す明快なワインリストにファン急増中。

掲載した価格はすべて税込みです。

photo/
Yoichiro Kikuchi
text/
小石原はるか

本記事は雑誌BRUTUS878号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は878号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.878
LONDON 服の学び場。STYLEBOOK 2018-19 A/W(2018.09.15発行)

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