ライフスタイル

上製本は、精緻な技の集合体。

本を作る人。

No. 876(2018.08.16発行)
GOOD GROOMING GUIDE

誠製本 代表取締役 阪井英之

上製本作りに欠かせない、人の手と目と機械の進化。出版社のみならず、デザイナーや印刷会社からの信頼も厚く、指名を受けて本を作ることも多い誠製本。美しい本作りへのこだわりと職人の芸が1951年から続く長い歴史を支えている。

創業から現在まで、誠製本だからこそ形にできた本も多いと聞きます。製本へのこだわりについて教えてください。
阪井英之 
工場では上製本並製本の2系統が稼働しています。背固めからカバーや帯をかける最終段階まで機械で行える並製本に対して、形や大きさも多岐にわたる上製本は多くの工程で人の手がかかりますし、機械の設定や調整も複雑になります。
どんな工程で、手作業や調整が必要になるんですか?
阪井 
例えば、紙質や気温、湿度に応じて接着剤のニカワや水分の量を調整したり、本の背の「丸み出し」なら、本の厚みや丸みの角度に応じて特注のローラーを使い分けながら細かいセッティングをするなど、それぞれの工程に職人芸とも言うべき技が必要です。一方で、ページを順に並べる「丁合機」に18個のカメラを取り付け、乱丁や落丁が起こらないようチェックするなど、機械の進化にもたくさん助けられています。
上製本の作り方、作業の流れを教えてください。
阪井 
「丁合」をとったら背を糸でかがり、糊で固めます。穴から糊を浸透させるアジロ綴じ、背をカットし糊づけする無線綴じの場合は糸かがりを省きます。本の仕上がりサイズに合わせ三方を断裁後、スピンと呼ばれるしおり紐を貼ります。(続く)

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さかい・ひでゆき/1976年生まれ。出版社に勤務後、2010年から現職。生産管理もすべて手書きだったという先代までのやり方を整理してシステム化しつつ、自らも製本学校で基礎を学んだ。

第1回第2回第3回

photo/
角戸菜摘
text/
鳥澤 光

本記事は雑誌BRUTUS876号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は876号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.876
GOOD GROOMING GUIDE(2018.08.16発行)

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