ライフスタイル

テーマ〈続々々々・蚊帳の外〉

平常心ブラザーズの平常心を失くす日。

No. 875(2018.08.01発行)
みんなで集まる場所のつくり方。居住空間学 再生編
やつい ミュージシャンは結婚するとお客さんが減るっていう話を聞きますよね。だから60歳を過ぎているような大御所でさえ、結婚していないっていうテンションなんですって。でも、どう考えてもしてるじゃないですか。
宮沢 しているよなあ。いつまでも若い感じがするけど、孫がいると思うよ。孫を探そう。闇雲に街に出て探そう。
やつい サザンとかは特殊な例ですよね。奥さんがバンドの中にいるから。
宮沢 『赤頭巾ちゃん気をつけて』を書いた庄司薫は、その後にほとんど作品を発表しなかったから、時間がそこで止まっているんだよね。いつまでも青年の作家なんだって、みんな幻想を抱く。でも、もう81歳のおじいちゃんなんだよ。古井由吉さんと同い年なんだから。世の中に出なくなると、若い時のままのイメージが残るんだね。
やつい ロックミュージシャンも早死にした人はそのままのイメージですもんね。
宮沢 生きていたら、どうだったんだろうって思う。迫力あるよお、おばあちゃんのジャニス・ジョプリン。
やつい もっと年とったジョン・レノン、見てみたかったですね。
宮沢 たしかにジョン・レノンも若くして死んでいるよね。
やつい 40歳ですよね。グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアも亡くなったけど、すげえおじいさんだと思ったらまだ60歳前だった。どんな生き方したら、あの年齢であんな風貌になるんだろうって。
宮沢 今年オープンしたロックカフェロフトで、平野(悠)さんと話したら、当初は昼間からロックを聴く高校生でいっぱいっていうイメージだったらしいんだよ。でも、毎日、親父しか来ないって。
やつい ロック聴かないんですね、高校生は。
宮沢 聴かないんだよ。ロックカフェに行って音楽を聴くっていう時代ではないのかもしれない。
やつい みんなYouTubeで音楽聴いていますからね。この前、福井で歩いていたら自転車に乗った男の子が急に止まって、「YouTuberですよね?」って。「俺、違うよ」って言ったら「でも、この前YouTube
に出てたじゃないですか」って。若い子はもうYouTubeしか観ていないのかもしれない。
宮沢 俺もそうだけどロック親父は蚊帳の外だな。(テーマ了)
ライフスタイルカテゴリの記事をもっと読む

宮沢章夫/遊園地再生事業団主宰。著書に『長くなるのでまたにする。』ほか、多数。

やついいちろう/エレキコミック第28回発表会を10月11日〜14日(東京公演)開催。

photo/
村岡俊也
text/
村岡俊也
edit/
村岡俊也

本記事は雑誌BRUTUS875号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は875号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.875
みんなで集まる場所のつくり方。居住空間学 再生編(2018.08.01発行)

関連記事