アート

夏休み本番! 大人も子供も楽しめる、夏の特別企画。

BRUTUSCOPE

No. 874(2018.07.17発行)
LIFE IS PARK!
「フライデー・ナイトトーク」。人気プログラム「所蔵品ガイド」を、夏限定で金曜夜にも行う。ガイドスタッフと参加者がトークしながら作品を鑑賞していく。ギャラリーチェアを使ってゆったりと鑑賞できる。
企画展『ゴードン・マッタ=クラーク展』では、ゴードンのグラフィティの作品をモチーフに、自由に塗り絵ができるワークコーナーが設置される。子供はもちろん、大人が無料で参加することも可能。
「ガーデン・ビアバー」。会期中の金曜・土曜は21時まで開館。夜の特別割引料金で展示を鑑賞できる。前庭にはキッチンカーが登場し、芝生の緑が心地よいガーデン・カフェも夜はビアバーとして楽しめる。
世界に1点だけのヤンバルテナガコガネの「ホロタイプ標本」。photo:©国立科学博物館
「ホロタイプ標本」とは、その種の基準となる標本で、1種につき世界に1点しか存在しない。天然のものとは思えないほど、鮮やかにきらめくプラチナコガネ。photo:©丸山宗利
ホウセキゾウムシ。思わず手に取りたくなる(⁉)美しさ。ほかにも、多様な種類の昆虫が一堂に集まる。photo:©丸山宗利

新しい美術館の楽しみ方を知り、深い昆虫の世界の楽しみ方を知る。

 いよいよ夏休み本番。海や山で思いっきり遊ぶのもいいけれど、今年は涼しい美術館や博物館で、ゆったり過ごすのもいいかもしれない。なぜならこの夏、大人も子供も楽しめる特別企画が、各所で目白押しだからだ。
 東京国立近代美術館では『MOMAT サマーフェス』と題して、昼も夜も楽しめる約2ヵ月のイベントを開催する。展覧会を中心としたイベント、ワークショップのほか、週末はナイトミュージアムを開催。21時まで開館し、ガーデン・カフェが夜はビアバーとなる。夏の週末、芝生の緑が気持ちのよい空間が、ビールやワインとおいしい食事を楽しめる贅沢な空間となる。ここでの週末の楽しみがもう一つ。金曜の夜に実施される「フライデー・ナイトトーク」だ。ガイドスタッフと参加者たちが自由にトークをしながら1作品を鑑賞するこのプログラムは、MoMAなど世界のミュージアムでも利用されているギャラリーチェアを使用しながら行う。ゆっくりと腰を据えて、謎解きするようにじっくりと作品を鑑賞できる。また、同期開催中の『ゴードン・マッタ=クラーク展』の見どころは「公園(プレイグラウンド)」をコンセプトとした、楽しく賑やかな会場。取り壊し前の建物を切断し、見慣れた日常をまったく新たな空間・時間へと変容させる「ビルディング・カット」をはじめとする、軽やかでクールな作品を紹介するこの展示は、アジア初の回顧展。35歳の若さでこの世を去った彼の活動を、“公園”の中で楽しむことができる。関連イベントとして、彼の作品をモチーフにしたぬり絵コーナーや、Instagramイベント「みつけようあなたのまちのGMC」も実施される。この展覧会を観たあとに街へ出ると、ゴードンが見た世界が見えてくる気がする。そんな世界を撮影し、ハッシュタグ「#あなたのまちのGMC」をつけてInstagramで投稿すれば、期間中美術館内で紹介されるかも。アーティスト気分で身近な街を見回してみると、新しい発見がありそうだ。
 美しい美術の世界を堪能したら、今度はディープでマニアックな昆虫の世界をご紹介。国立科学博物館では、この夏初めて「昆虫」の大規模な特別展を開く。地球上で知られている昆虫は、なんと約100万種。実際はその何倍もの昆虫が存在するといわれている。昆虫に触れる機会も減り、最近では怖がられ、嫌われがちの昆虫だが、その存在は自然が生み出すものの神秘と、命の大切さを教えてくれる。「人間にとって、昆虫は人生の先輩だと思います」と語るのは、大の昆虫好きで知られる俳優の香川照之。今回の展覧会のオフィシャルサポーターを務めている。香川は「人間と同じような集団での社会生活を、昆虫は何億年も前から行っています。この特別展で、ぜひ昆虫の魅力を知ってほしい。たくさんの昆虫に触れ、その生命力や、ボディの美しさを感じてください。きっと明日からの生活に活かせる何かが見つかるはずです」
とコメントを寄せている。この特別展では、2mの大きさの巨大模型や、数万点の昆虫が収められた標本を展示し、その世界の深さと面白さを紹介している。人間の想像をはるかに超えて進化し、繁栄する昆虫たちの世界に、次第に引き込まれていくに違いない。
 しかし、ここで注意したいのは、通称「Gの部屋」と呼ばれる一室。夏になると私たちの前に現れるアイツ。世界中から集めた多種多様なGを集めたこの部屋は、苦手な人や心臓の弱い人は迂回ルートを通ることを推奨している。ほかに、正しい昆虫採集のテクニックを教えてくれるコーナーも。身近な道具でできる方法から、標本作りまで、使える情報がたくさん。
 自由研究のネタが見つかっていない子供がいたら、ぜひおすすめしたい。

美術館でゆっくりアートに浸る夏、世界の珍しい昆虫に興奮する夏、あなたはどんな夏休みを過ごしますか?

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text/
Saki Miyahara

本記事は雑誌BRUTUS874号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は874号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.874
LIFE IS PARK!(2018.07.17発行)

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