Ordi-verre/Restaurant AROMES

グルマン温故知新

No. 870(2018.05.15発行)
新 お金の、答え。
初ガツオの赤ワインマリネと鹿のコンソメジュレ 軽くマリネした初ガツオは、極厚切り。ねっとりとした食感と濃厚な旨味が存分に楽しめ、深みのある鹿のコンソメジュレと味のトーンが重なる。軟らかくゆでて甘味を引き出した極太の白ネギは、戸田さんの故郷・鳥取から。ほか、カブやアンディーブなど野菜は白一色で揃えてカツオを際立たせた。2,800円。

バータイムの“シメ”の一品も話題なワイン推しフレンチ。

「遅い時間は、ワインバー使いでどうぞ」と、深夜まで店を開けるフレンチ。これだけで十分ありがたいのに、バータイムに“シメ”の一品があるとはなんと魅惑的。レストランの料理もワインのラインナップも正統派。経験豊かなサービスマンが楽しませてくれます。

桜鯛のアンティボワーズ 薄切りにした桜鯛で青ネギやマスタードスプラウト、レモンコンフィを巻いて。ハマグリと野菜のだしを合わせたソースにトマト、バジルとパクチーの爽やかな香りを添えた南仏風の一皿。コース8,000円の前菜の一例。

シェフ飛松の最高の南インド風チキンカレー スパイスが芳しく、タマネギとトマトの旨味が豊か。油を抑えた深夜にぴったりの重くない味。辛さも心地よくワインにも合う。シェフが知り合いのインド人から習ったレシピを基に。1,800円(ハーフ1,200円)。

戸田さん(左)と1986年生まれの飛松シェフ。息もぴったり。

一人ご飯や深夜のチョイ飲みにいいカウンターもある。

Ordi-verre

白金高輪

熟成ブルゴーニュからナチュラルワインまで。

 オーナーの戸田健太郎さんは、〈オザミ〉グループでソムリエを5年、西麻布〈ル・ブルギニオン〉で支配人兼ソムリエとして10年働いた。片や東京のナチュラルワインシーンの先駆店、片やブルゴーニュ愛好家らが「殿堂」と崇める店。36歳で満を持しての独立。ワインの経験値は比類なきレベルだ。
 ワインはやはり「ナチュラル」と「クラシック」の2本柱。2つが交わる先に、骨格はしっかりと、味わいは軽やかな“現在のフランス料理”がある。旬の初ガツオはジュレにした鹿のコンソメとともに、真鯛は柑橘の酸やハーブの香りを効かせ、複雑ながら軽やかな味に。ブルゴーニュでの修業経験もある飛松裕之シェフが、ストライクゾーンを突く味を作る。文化にしっかり根ざしながら「フレンチ界のコンビニでありたい」と、深夜まで営業し、バータイムにはシェフ特製南インドカレーまで登場。16席の小空間に、あれもこれもがぎゅっと詰まってる。

牛ホホ肉の赤ワイン煮込み じっくり煮込んだ牛ホホ肉は、ナイフがするりと入る軟らかさ。中までしっとり火が入っている。北海道産熟成ジャガイモの濃厚なピュレが、赤ワインソースと引き立て合う。合わせるワインは「“包み込む”ならローヌのグルナッシュで、“酸でキレよく”ならばシラーはいかがでしょう」と岡部さん。3,800円。

ホタテ貝のポワレ バターミルクソース ヨーグルトのようなコクと酸味があるバターミルクソースが、北海道サロマ湖産のホタテのリッチな旨味にぴたりと寄り添う。清涼感のあるバジルのソースや、長野産ノビルのピクルスが軽快なアクセントに。2,000円。

コンソメ茶漬け フレンチ版鯛茶。鶏のブイヨンと牛コンソメを合わせた贅沢なだしでいただく。真空状態で昆布締めにしたという真鯛は、旨味に凝縮感がある。鯛に隠れた長野産のセリと木の芽のあしらいは今の季節限定。1,600円。

池袋のビストロ〈パリの朝市〉でスーシェフを務めた永瀬シェフ(右)と岡部さん。

天井が高く、インテリアも重厚。

Restaurant AROMES

神楽坂

ウォークインセラーで選ぶワインとともに。

 ワイン輸入会社〈ヴィノラム〉が経営するワインショップ併設のレストランがリニューアル。支配人に岡部一己さんを迎え、ランチ、ディナーに加え、深夜2時までのバータイム営業もスタートし、使い勝手はグンとアップした。岡部さんといえば、サービスマンとして麹町〈オー グー ド ジュール〉を筆頭に7軒の店を展開した経験を持つ敏腕。ウォークインセラーには自社輸入の稀少なものも含め800本のワインが並び、リーズナブルな持ち込み料で食事と合わせられるのも魅力だ。
「バー営業をするなら、気の利いたシメものを出したかった」と、岡部さん。永瀬友晴シェフとともに考え出したコンソメ茶漬けは、深夜の胃に優しく、ワインとの相性もバッチリだ。永瀬さんは29歳の若さだが、フォンやソースできちんと味を決める「ワインが欲しくなる料理」を提供。で、しっかりコースも、1杯と1皿でも、という自由さ。ワイン好きにはたまらない。

photo/
Keiko Nakajima
text/
佐々木ケイ

本記事は雑誌BRUTUS870号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は870号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.870
新 お金の、答え。(2018.05.15発行)

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