ファッション

「おしゃれと目立つの違いは何ですか?」高橋 盾 × 森中 柊

自分で服を選び始めた2人が作り手に問う。

No. 866(2018.03.15発行)
服が人を作る 何を選び、どう着るか。
作り手 高橋 盾 UNDERCOVER(右)、自分で服を選び始めた、森中 柊くん(左)
森中柊 高橋さんがファッションに興味を持つきっかけは何だったんですか?
高橋盾 衣食住っていう言葉があるでしょ。つまり生活に服は欠かせないし、大きな欲求の一つなんだ。例えば、ある映画を観ている時に、「脇役が着ていたコートがかっこいいな」とか思うことあるでしょ。僕の場合はそれが音楽だったの。あるバンドの歌に感動して、彼らのような服を着れば、近づけるのかな? とか考えてね。
森中 それから自分で服を選ぶようになったんですか。
高橋 そうだね。ファッションってどこか遠いもののようで、実はものすごく身近なものとつながっている。だからキッカケはどこに転がってるか誰にもわからないし、「なんでもいい」っていう考えは損をしていると思うんだ。選択できる自由があれば、自分が好きなものを選ぶべきだし、着てほしいな。
森中 おしゃれと目立つの違いは何ですか?
高橋 僕は昔パンクで、髪を真っ赤に染めて派手な洋服を着ていたよ。それは攻撃的に見られたいという気持ちの表れだったんだ。洋服は自分をアピールするための道具であり武器でもある。だから着ていて“楽”と思える服の大半は、他人へアピールするために作られていない。例えば、好きな女の子がいると、自分が何者なのかをアピールするために洋服のことも考える。だから恋はどんどんした方がいいし、どんどん試した方がいい。
森中 そもそも、ファッションに正解はあるんですか?
高橋 トレンドはレポートでしかない。この服が流行っているから作らなくちゃいけない、こうやって着なくちゃいけない、なんてことはないんだ。多くのデザイナーは僕と同じような考え方をしていて、そういうデザイナーが作る服にルールはない。だから自由に着ればいいし、着てほしいと思っている。だって、そっちの方が絶対楽しいし、かっこいいから。
ファッションカテゴリの記事をもっと読む

UNDERCOVER 高橋 盾

たかはし・じゅん/1990年にアンダーカバーを立ち上げ、2015年に回顧展を開催。自身にも高校生の娘がいるからか、じっくり森中くんの話を聞いていた。

森中 柊

もりなか・しゅう/中学3年生。この日着ていたコートは父親のお下がりで、まだ洋服に無頓着。

photo/
Taro Hirano
text/
Takuhito Kawashima

本記事は雑誌BRUTUS866号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は866号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.866
服が人を作る 何を選び、どう着るか。(2018.03.15発行)

関連記事