LEPOULETBRASSERIEUKAI/炭火焼肉 ふちおか

グルマン温故知新

No. 852(2017.08.01発行)
とんかつ好き。

今、行くべき鶏と牛の新名店へ。とんかつの合間に!

とんかつの魅力をご堪能いただいた今号、しかし鶏だって、牛だって負けていません。鉄板焼きの老舗が仕掛けたロティサリーチキンの店、予約至難の焼肉店の系譜を感じる期待の新店が東京を賑わせています。肉は「モー、ケッコー」なんていわず、出かけないと!

ロティサリーチキン スペイン産若鶏か国産地鶏かを選択できる。約40分かけて焼くことで余分な脂が落ち、表面がキャラメリゼされ、黄金色の焼き上がりに。切り分けて腿肉にはジュを、胸肉にはトマトやクリームなど季節ごとのソースを添え提供。スペイン産若鶏フルサイズ(3~4人分)8,000円(国産地鶏は10,000円)。

リヨン風サラダ 美食都市・リヨン伝統のサラダ。ベーコン、レバーコンフィ、レバーパテ、ポーチドエッグとボリューム満点。インゲン、アーティーチョークと野菜もいろいろ。シェリービネガーの酸味が効いたドレッシングで。1,600円。

プラリネルージュタルト 真っ赤な色からベリー系の味を連想するが、食べるとアーモンドの香りが。焼いたアーモンドに砂糖をまぶして着色した「プラリネルージュ」のタルト。日本ではなかなかお目にかかれないリヨンの郷土菓子。800円。

〈うかい〉グループで15年、経験を積んだ青木主税調理主任。

大手町パークビルディングの中庭に面した気持ちのいい空間。

LEPOULETBRASSERIEUKAI

●大手町

鶏が主役、〈うかい〉ブランド初のブラッスリー。

 高級鉄板料理店などを手がける〈うかい〉が開いたブラッスリー。デイリーに使える店だが「上質な素材をシンプルに」という信条はそのまま、鶏にフォーカスしたスタイルが新しい。
 鶏の丸焼きは、フランスの食卓に根づいたごちそう。焼いておいしい旨味の強い鶏を選び、フランスから取り寄せたロティサリーマシンでじっくり火を入れる。腿の皮はパリッと、胸肉はふんわり。2種のソースがそれぞれの味を引き立てる。ほか、肉のテリーヌにウフ・アン・ムレットと、酒が進むフランスの味がずらり。昼限定、ロティサリーチキンのサンドイッチも手軽かつ満足度が高い。
 ブラッスリーは、ビストロよりもっと気楽に酒と料理を楽しむ場。だからワインはもちろん、ビール、ハイボール、カクテルまで揃い、堅苦しさはゼロだ。場所は皇居の緑を望む大手町の一等地で、サービスは〈うかい〉クオリティ。ちょっとアガる、でもって安心してくつろげる。

焼きもの 特選部位盛り合わせ 左からミスジ、カメノコウ、トウガラシ。すべてタレで。ミスジはやや脂多め、カメノコウとトウガラシは赤身が強い。決して焦げ目をつけず焼くのがおいしくいただくポイント。ほか塩味のハラミなどと合わせ、特選部位盛り合わせはコースで5種類(内容は日替わり)提供。料理はすべて7,344円のコースから。

一品料理 ゴルフボール大のメンチカツは、しっかり味ゆえソースなしでどうぞ。使用するのは肉とタマネギのみ。焼きもので提供できない部位を違う形で楽しませる一品。〈なかはら〉の前身〈七厘〉時代のメニューにならって。

焼きもの サーロイン 焼きものの1品目として必ず提供されるこだわりの部位。さっと焼いて口に入れると、甘めのタレの風味の奥から肉の旨味が現れる。肉は薄切りだが、コースで供される6品で十分満足できる量。もちろん単品を追加しても。

渕岡さん。サラリーマンを経て、三ノ輪〈七厘〉時代から中原さんの下で修業し独立。

テーブルのほか、小上がりもあり。

炭火焼肉 ふちおか

●経堂

肉選びと「切り方」で魅了する師匠の仕事を継承。

 店主の渕岡弘幸さんは、市ケ谷〈炭火焼肉なかはら〉の出身。肉の部位ごとの味わいを「切り方」で最大限に引き出すことで、焼肉を新たなステージに押し上げた肉職人・中原健太郎さんの下で3年2ヵ月、みっちり修業して独立した。
 銘柄にこだわらず、黒毛和牛A5ランクの雌牛の中で、サシの少ないものを厳選。手で薄く切り、部位に応じた味つけで供する師匠の仕事を踏襲する。ただし値段はかなり控えめ。コースはサーロインを含む焼きもの6点に前菜や締めの食事もついて7,344円。場所を考慮してもお得感がある。手切りというのが信じられないほど薄く切られた肉は、焦げ色をつけず「白く焼く」ことで、甘味と旨味がマックスに。酒もシャンパーニュや「獺祭」などのセレブ路線から、肉に合う赤中心のワイン、レモンの果実酒を炭酸で割る〈ふちおか〉式レモンサワーまで、ツボを押さえた布陣である。開店直後からの混みっぷりにも納得。

photo/
Yuji Kanno
text/
佐々木ケイ

本記事は雑誌BRUTUS852号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は852号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.852
とんかつ好き。(2017.08.01発行)

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