書籍・読書

裏窓

菅原 敏「詩人と暮らし」

No. 850(2017.06.30発行)
建築を楽しむ教科書

裏窓

すべての窓を開け放ち
仕事するかと机にむかい
とりあえずビールを1本
夕暮れ遠い空はみずいろ
カーテンがゆらゆら揺れる
このカーテンのかたちが
いまの俺の幸せのかたち
かもしれないかもしれない
たかだか風を感じるだけの
このささやかな幸せを
忘れないようにしないとな

ひとりで生きる気楽さと
少しの不安をつまみつつ
えんぴつころがし
いつものビールをもう1本

【memo】窓から入ってくる風が好きで、スカートみたいにひるがえるカーテンに顔つっこんで見上げる空と少しの雲。ひとりこそが平和な人数なのかもね、なんてことを言い訳がましく考える月曜日の午後。あの頃にはこんな幸せの形があるなんて想像もつかなかったけど。伊・アブルッツオ州からやってきたオーガニックビール「マイエッラ」、夏の私の同居人。(敏)

すがわら・びん/詩人。新詩集『かのひと 超訳 世界恋愛詩集』(東京新聞)発売中。国内外での朗読公演など幅広く活動中。

edit/
西野入智紗

本記事は雑誌BRUTUS850号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は850号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.850
建築を楽しむ教科書(2017.06.30発行)

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