ファッション

ストリートウェアはなるべくデザインしないこと。

新進デザイナーの乱

No. 832(2016.09.15発行)
ファッションジャーナル2016
2016AWは“ソフトミリタリー”なルックが揃う。「あくまでストリート。ミリタリーになりすぎないよう意識した」と言う。
2016AWは“ソフトミリタリー”なルックが揃う。「あくまでストリート。ミリタリーになりすぎないよう意識した」と言う。
2016AWは“ソフトミリタリー”なルックが揃う。「あくまでストリート。ミリタリーになりすぎないよう意識した」と言う。

新進デザイナーの乱⑥川西遼平・増田直起 NYから発信するミリタリーテイストは、等身大の“ユルさ”が絶妙。

強いメッセージ性を武器に、主に欧米での評価を獲得してきたRyohei Kawanishiのデザイナー、川西遼平さん。ただ、素材を重ねてミノ虫のごとく膨れた服は極めてコンセプチュアルで、誤解を恐れずに言えば“ゴミ”の塊にも見える。実際に着るのはちょっと難しいヨ……という人も多かったはず。
 才能を買われながらも、「ビジネスへの関心が薄かった」と言う彼が一念発起したのは、NYのパーソンズ美術大学院在学中に発覚した、彼女の妊娠がきっかけ。要は、「ゼニが必要じゃっ。“売れ線”を作らねば」ってことで自身のブランドは一時休業に。同大学院時代に知り合った増田直起さんをテクニカル ビジネス ディレクターに迎え、昨年ブルックリンを拠点にLANDLORD NEW YORK(ランドロード ニューヨーク)が誕生。ちょっくら覗いてみると、これが最高にカッコイイ。
 2016AWはミリタリーテイストがベースに。カジュアルでストリートでコンテンポラリーという最強の三拍子をひっさげながら、セットアップに醸される絶妙なユルさは健在。カラバリもグッとくるチョイスばかり。ユルさはブランドにも川西さんにも通底するが、アメリカ軍支給品の請負工場で生産するなど抜け目のなさがニクい。「なるべくデザインしないデザインを。肩肘張らず等身大でやっていきたいです」と話す川西さん、ニヤリ。

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川西遼平
かわにし・りょうへい/1987年鳥取県生まれ。2011年セントラル・セント・マーチンズ在学中にRyohei Kawanishiをスタート。パーソンズ美術大学院修士課程修了。

増田直起
ますだ・なおき/1986年東京都生まれ。成蹊大学卒業。パーソンズ美術大学卒業後〈ブルックリン テーラーズ〉に勤務。2015年、LANDLORD NEW YORKを川西とともに立ち上げる。

photo/
©Yuta Kawanishi(上) ©Jil Zhang(下)
text/
Shiho Nakamura
edit/
Shiho Nakamura

本記事は雑誌BRUTUS832号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は832号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.832
ファッションジャーナル2016(2016.09.15発行)

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