SHIBUYA 8929/三軒茶屋 焼肉さかもと

グルマン温故知新

No. 830(2016.08.16発行)
こんにちは、星野道夫。

2016年夏の焼肉は、黒毛和牛をさらっとカジュアルに。

残暑厳しく、スタミナをつけたいこの季節。今年の春から初夏にかけて登場したこの2軒は、大阪出身のオーナーが東京に進出し、黒毛和牛をメインに扱う焼肉店。カジュアルかつスタイリッシュで、デートにも仲間との集まりにももってこい。いざ、焼かん!

おすすめ3種盛り その日におすすめの3種類の肉をセレクト。ボリュームは合わせて約150gが目安。赤身、サシの強い部位など、バランスよく組み合わせてくれる。写真は、左上から時計回りに、イチボ、トモサンカク、ハラミ。中央にあるのは、赤身に添えて食べるのにおすすめな塩昆布。旨味と塩気が肉を引き立てる。2,900円。

自慢のナムル 肉のお供には、野菜のサイドメニューもたっぷりと。左から、ラー油で和えたピーマン、モヤシ、インゲン、イエローズッキーニ、ホウレン草、ゴボウのナムル。野菜の種類は季節によって替わる。1,000円。

贅沢シチューライス 「カレーはありきたりだから」と、ここではシチューが〆の定番。水は一切加えず、牛肉とトマト、2種類のワインとブランデーをじっくり1日煮込んだ濃厚なシチューでご飯が進む! 1,200円。ランチ時は1,000円。

念願かない、肉を切る手にも熱がこもる東さん。

天井の高い店内は“ブルックリンのお肉屋さん”をイメージしている。

SHIBUYA 8929

渋谷

熱い焼肉愛から生まれたクールな店。

 店の外観は、今ドキなコーヒーショップか常連度高めなバーかといった、かなりさっぱりとした印象。が、その正体はA5ランクの和牛が主役の焼肉店。
 大阪でクラブを営むオーナー・東紘平さんは、自他共に認める焼肉好き。全国の有名店を食べ歩くうちに好きが高じて「おいしくて、だけど煙モクモクじゃなくてイケてる焼肉屋を開きたい!」と決心。知人の肉屋さんに指導を仰ぎ、仕入れからカッティングまでを集中学習。
 吟味された肉を焼くのは、かっぱ橋の老舗〈釜浅商店〉製の七輪。そして、炭火で香ばしく焼いた肉を、さっぱりとしたおろしポン酢か塩昆布とともに食べると、繊細な肉の味わいが増幅する。また、「サシのある部位なら、ねぎ盛り(500円)を追加して、肉と一緒に食べるのもイケますよ」と東さん。食べ手目線の提案が、さすが。サイドメニューの野菜料理や〆の炭水化物も、ひとひねりが利いていて、食欲をそそる。

三軒茶屋さかもと黒毛和牛4種 おすすめの4部位を食べ比べられる一品。食感や脂の質の違いがよくわかる。左上から時計回りに、もも肉の中央部で軟らかい肉質のマルシン、ワサビをつけて食べるのがおすすめのミスジ、おしりの特に軟らかい部分であるイチボ、もも肉の中でもっともサシが多いヒウチ。1人前2,000円(写真は2人前)。

三軒茶屋さかもと名物塩だしユッケ 生食用に出荷されたもも肉を、注文ごとに細かくチョップ。塩とゴマ油で下味をつけてから、だし醤油、刻みネギ、ゴマをかけて上に卵黄を。新鮮な生肉は、即血肉となりそうな、力みなぎる味わい。1,480円。

シークァーサー冷めん 麺は細打ちの韓国冷麺を使用。沖縄にある系列店から直送した旬のシークァーサーを、輪切りして飾るだけでなく、果汁をスープに加えてもいるので、見た目だけでなく、味わいも実に爽やか。10月までの夏季限定。880円。

大阪から東京に居を移し、自ら包丁を握って陣頭指揮を執る阪本さん。

カウンター奥にはゆったりとしたテーブル席と個室が

三軒茶屋 焼肉さかもと

●三軒茶屋

牛肉の本場からベテランが進出。

 肉ブームの影響で今や東西の差は埋まりつつあるが、古くは、関西は牛肉、関東は豚肉文化が発達しているといわれていた。
 牛肉の本場ともいえる大阪・心斎橋で焼肉店と鉄板焼き店を営む阪本貴則さんが、この6月満を持して、東京進出。
 大阪信頼関係を築いた業者から仕入れる黒毛和牛は、その多くが九州産。銘柄にはこだわらず、個体ごとのコンディションを重視する。「東京では大阪よりも赤身が好まれる点を意識して選んでいます」と阪本さん。
 目利きが吟味し、確かなカッティングで仕上げる肉は、上手に焼ければ繊細な肉質と品のある旨味が際立ち、一切れごとに至福! だし醤油、おろしポン酢、自家製ダレなどの調味料とともに味わえば、さらに楽しい。
 また、世田谷区の「生食用食肉取扱者等設置施設」の認可を受けていて、大阪本店の名物メニュー「塩だしユッケ」のほか、刺身も提供。生で、焼きで、上質な牛肉を味わい尽くせる。

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SHIBUYA 8929

渋谷
03・6712・6029
11時30分〜14時LO、18時〜23時LO(土・日17時〜)。
ビール390円、季節の生フルーツサワー800円、ウイスキー1,200円など。
焼肉単品1,300円〜。サイドメニュー600円〜。デザート500円など。
カウンター4席、テーブル3卓22席、個室1室(4名まで)。

東京都渋谷区東2−20−18。月曜休。交通:JR東京メトロ渋谷駅東口から徒歩12分。今年3月にオープン。本業はクラブオーナーの東さん。ハイパワーなダクトを設えた理由が「焼肉の後にクラブに行っても、臭いが気にならないよう」。キムチを扱わないのも同じ理由から。京都〈焼く鶏ソリレス〉のオーナーと親しく、人気の生フルーツサワーなど、アドバイスを受けたメニューもある。

三軒茶屋 焼肉さかもと

●三軒茶屋
03・6805・4231
17時〜23時30分LO。
生ビール500円、チューハイ480円、ウイスキー500円、焼酎480円〜など。
焼肉単品680円〜。ホルモン類680円〜。キムチ盛り合わせ880円など。
カウンター12席、テーブル4卓16席、個室1室(12名まで)。

東京都世田谷区太子堂3−14−8 太子堂COMPLEX B1。火曜休(祝日の場合は翌水曜休)。要予約。交通:東急田園都市線三軒茶屋駅北口から徒歩5分。今年6月8日にオープン。単品の肉メニューは種類豊富。さっと焼いた薄切りロースに南河内産「美人たまご」をつけて食べる、焼きすき680円もおすすめだ。焼き台は昔ながらのガスロースター。強力なダクトが設置され、煙くなる心配なし。

photo/
小石原はるか
text/
Hisashi Okamoto

本記事は雑誌BRUTUS830号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は830号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.830
こんにちは、星野道夫。(2016.08.16発行)

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