ハゲとロック。

男の色気

No. 817(2016.02.01発行)
漫画ブルータス

 キャロル、マイク・ネス、ジョー・ストラマー。ポマードでオールバックにした髪形は特に、いい年したロックミュージシャンには欠かせない。ポマードでビタッとタイトにするなら毛根が弱り気味の毛の方がビシッと決まるし、革ジャンには生え際が後退した天然のソリコミがよく似合うからだ。ムーンドッグスのイクラさんも、生え際の上がったリーゼントからソリが入ったオールバックにし、その後、潔くスキンヘッドにしたのは、ハゲロッカーの王道と言えよう。昔の俺も何も隠さないスキンズの武骨な精神に憧れ、T字カミソリでスキンヘッドにしたことがある。今にして思えば、若気、いや若毛の至り。風は冷たいし、上から何か落ちてくるんじゃないかとおどおどしていたが、徐々に慣れ、芽生えてくる反骨心にスキンズの精神を思い描いていた。包み隠さず潔くはパンクスであろうとテッズ、ロッカーズ、ルードボーイズだろうと、男を突き詰める者ならきっと同じだ 若くして死したエディ・コクラン、バディ・ホリー、シド・ヴィシャス、尾崎豊だって彼らがもし60歳まで生きていたら、間違いなくハゲになっていたことは、髪質からも明らかであり、そうなったら今頃、ハゲでなければロッカーとは言えない時代だったかもしれない。残念だ。

やぐち・けんいち/1975年生まれ。ヘア&メイク。〈駿河台 矢口〉店主。

text/
矢口憲一
edit/
Asuka Ochi
illustration/
Aiko Fukuda

本記事は雑誌BRUTUS817号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は817号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.817
漫画ブルータス(2016.02.01発行)

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