テーマ〈続・芸術〉

平常心ブラザーズの平常心を失くす日。

No. 817(2016.02.01発行)
漫画ブルータス
やつい 清澄白河の都現代美術館で宮沢さんがキュレーションしているYMOの展示は、どういう感じなんですか?
宮沢 うーん、YMOって3人だと思ってるでしょ?
やつい はい。
宮沢 本当は4人だって知ってる?
やつい 知らないです!
宮沢 本当は記者会見も4人でやるはずだったのに1人来なかった人がいる。
やつい え?
宮沢 それが、横尾忠則さん。
やつい メンバーだったんですか?
宮沢 そう。結成の記者会見に着ていく予定だったタキシードもあって、4人分を展示するって美術館から提案されたんだけど、これ知らないとただの謎だよ。
やつい 横尾さん、メンバーのこと結構描いてますもんね。
宮沢 そうそう。細野さんと仲良かったんだよ、UFO繋がりで。美術館って行ったりする? くだらないなって笑ってもいいと思うんだ。だけど、そういう楽しみ方ができないような雰囲気もあるじゃない? 昔、都現美の常設展に触るとベルが鳴る作品があったんだよ。ワークショップで何度か行くたびに、遠くからベルのビーっていう音が聞こえて、また誰かがやっちまった! って思ってたよ。
やつい パリに行った時に、かなり行きましたよ、美術館。ルーヴルとか、信じられない量があるじゃないですか。雑に飾ってあるように見えてしまって、でも、全部いい絵なんですよね?
宮沢 どうでしょう?
やつい とにかく飽きちゃって、途中からダッシュでした。
宮沢 オルセーは?
やつい オルセーの方がまだ面白かったです。
宮沢 オルセー、何が驚いたって、作品がいちいちデカいんだよ。
やつい ありすぎて、本物かどうかもわからなくなりますよね。本物かどうか気にしている時点で、芸術がわかってないんだろうな、俺。
宮沢 昔、マルセル・デュシャンの、「泉」のレプリカがたくさん飾ってあるの見たことあるよ。それは単にTOTOのショールームじゃないか(笑)。
やつい ただの便器。
宮沢 本物が来た時に、千葉の川村記念美術館だったかな、便器を見に行くのに2時間かかったよ。
やつい 頭が下がります。(続く)

宮沢章夫/遊園地再生事業団主催。『東京アートミーティングⅥ』展のキュレーション担当。

やついいちろう/エレキコミック。片桐仁とのエレ片ライブ『コントの人10』2月19日より。

photo/
村岡俊也
text/
村岡俊也
edit/
村岡俊也

本記事は雑誌BRUTUS817号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は817号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.817
漫画ブルータス(2016.02.01発行)

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