築80年を超えて出会った、愛嬌のある生き物のような家。

手がかかる部屋。

No. 800(2015.05.01発行)
居住空間学2015
古物商を営む大久保忠浩さんが家族で住む葉山の住宅。築80年以上。奥の二階屋も含め、増改築を繰り返した3つの建物が中から廊下で繋がっている。写真右手、不揃いのガラス戸が並ぶ部分は以前の住人が造作したサンルーム。コンクリートの棟のような煙突は、手入れをし直し、今年の冬からまた使う予定だ。
玄関周りはどうやら軒下に後から付け足された増築で、以前住んでいたアメリカ人男性のセルフビルドと思われる。入居後、忠浩さんが玄関扉を茶色から青に塗り替えた。
東西に連なる建物の真ん中にあたるリビング・ダイニング。元は畳敷きの和室で、写真右手の床柱が唯一の名残。机や椅子は忠浩さんが仕入れる古家具から選んで使っている。
麦わらを使ったモビール、ヒンメリ作りのアトリエとして使われている南東の部屋。サンルーム併設で明るく、照明機器は一切付けずに自然光のみで作業している。
リビングの北側にあるキッチン。個人の住宅としては驚くほど広く、大久保家の2人の娘もよくキッチンに立つ。このキッチンに洗面台、洗濯場、浴室が続く。
玄関脇の一棟は忠浩さんの仕事の倉庫に。家族4人では広すぎる家も、倉庫とアトリエが必要な大久保家には最適だった。
レンガの囲炉裏付きデッキは、ところどころ腐って抜け落ちていたところを補修。リビングの窓から直接出入りできる。
入居したときは建具が動かず、中に荷物もあって人が立ち入れない状態だったというサンルーム。不揃いのガラス戸は洗っただけでそのまま、屋根の半透明の波板は新調した。

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大久保忠浩/おおくぼともこ

古物商/造形作家

神奈川県葉山町

忠浩さんは1967年生まれ。国内外の古家具や古雑貨、グラフィカルなプロダクトを扱う古物商。ともこさんは1970年生まれ。フィンランドの伝統装飾、ヒンメリに魅せられ、麦わらを使ったオリジナルの作品作りのほか、ワークショップなども開催している。http://himmeli.jp

photo/
Tetsuya Ito
text/
Tami Okano

本記事は雑誌BRUTUS800号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は800号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.800
居住空間学2015(2015.05.01発行)

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