その他

テーマ〈沖縄〉

平常心ブラザーズの平常心を失くす日。

No. 796(2015.03.02発行)
ロンドンで見る、買う、食べる101のこと。
やつい 沖縄行ってましたよね?
宮沢 舞台『夏の終わりの妹』のためにね。大島渚の『夏の妹』っていう映画があって、沖縄を舞台にしているんだけど、あれは返還直後に撮りに行ってる。そういうタイミングを狙うんだよね、大島さんって。それで変なものを作っちゃったっていう(笑)。
やつい 作品として固まる前に、タイミングで撮りに行っちゃった。
宮沢 震災の次の年だった。みんなが支援とかで北へ北へと行っているときに、思いっきり南へ行ってたんだ、俺。
やつい 10日間くらい行ってましたよね。
宮沢 人間、カーナビを付けると馬鹿になるね。道を覚えない。
やつい 車で基地を回ったんでしたっけ? 『アーミー百科』みたいな本を持って。
宮沢 軍事オタクじゃないよ(笑)。『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』っていう米軍基地の観光ガイド。
やつい 僕も『夏の終わりの妹』に出させていただいて、“健児の塔”のことを教えてもらったので、あの後に行ったんですよ。
宮沢 あ、行ったか。怖いだろ。
やつい 怖いです。
宮沢 俺、夕暮れ時に行った。
やつい もう全部の店が潰れている。男の人が歩いてて、こんなところに何しに来るんだっていう目で見られました。
宮沢 一人で行ったら、小動物が草むらをさーって通ったからね(笑)。さらに階段があるじゃない? 上ると戦没者の慰霊碑があるところに出るらしいんだけど怖くて行けなかった。
やつい あの階段はヤバかったですね。ウチのマネージャーの上田にちょっと見てこいって行かせたんです。行っている間にみんなで逃げたっていう(笑)。すげー叫んでるんですよ、「何かありそうです!」って。みんないないのに。それにしても、ひめゆりの塔の前の売店やりすぎじゃないですか?
宮沢 それに比べると健児の塔の素朴さ。
やつい 海人Tシャツが500円でしたよ。
宮沢 ひめゆり部隊は1950年代に映画になって、それで観光スポットになっている。健児の塔の話も、ジャニーズで映画化したらいい。
やつい 本当ですね。
宮沢 小動物がいるからな。
(続く)

宮沢章夫/遊園地再生事業団主宰。『長くなるからまたにする』(幻冬舎)を刊行予定。

やついいちろう/エレ片コントライブ『コントの人9』が草月ホールほか全国で公演中。

photo/
森本菜穂子
text/
村岡俊也

本記事は雑誌BRUTUS796号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は796号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.796
ロンドンで見る、買う、食べる101のこと。(2015.03.02発行)

関連記事