CARNEYA SANOMAN'S/SteakDiningVitis

グルマン温故知新

No. 794(2015.02.02発行)
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焼き方違えど、ステーキはやっぱり素敵!

まだまだ衰えを知らぬ肉ブーム。次々上陸する黒船ステーキハウスに対抗するかのように新店が登場。片や備長炭の炎が立ち上る炉窯で黒毛和牛を、片や巨大なガスグリラーで熟成肉を、と対照的ながら、頬張れば幸せになれることには変わりなし!

Tボーンステーキ ステーキ用の肉は、さの萬熟成牛、さの萬Lボーン、北十勝ファームの短角牛、北海道交雑牛(いずれも40日間ドライエイジング)などがスタンバイ。写真は、Tボーンの中でもフィレ部分が大きくあっさりしている「USポーターハウス」を28日間ドライエイジングしたもの。重量は約20オンス(約600g)。15,000円。

クラブケーキ たっぷりのズワイ蟹のほぐし身にタマネギとハーブを合わせて、その名の通りケーキのように形を整えて焼いた、ふんわり、あつあつのオードブル。さらりとしたトマトソースが蟹の風味によく合う。2,200円。

さの萬熟成牛のカツサンド ランチメニューの一つ。さの萬熟成牛のサーロインを使ったビフカツとトマトソースを、浅草〈ペリカン〉の角食パンのトーストに挟んで。サラダとドリンクが付いて2,590円(税込み)。ここぞ! のときの奮発ランチに。

この店のために輸入したステーキグリラーで肉を焼く高山さん。

ホルスタイン柄?の椅子が並び、牛肉への思いが高まる空間。

CARNEYA SANOMAN'S

西麻布

ドライエイジングの匠によるステーキダイニング。

 神楽坂〈カルネヤ〉といえば“肉イタリアン”を標榜する超人気店。いち早くドライエイジングビーフを取り入れたことでも有名だ。そのオーナーシェフ・高山いさ己さんが、今年1月、西麻布に新店をオープン。
 こちらはイタリアンレストランではなく、熟成肉ブーム以前から、共にドライエイジングビーフの研究に取り組んできた、富士宮の精肉店〈さの萬〉とタッグを組んで開いた、NYスタイルのステーキダイニングだ。
 ドライエイジングビーフにとってベストなpH値を保てる特製の熟成庫と、NYステーキハウスも御用達の〈MONTAGUE〉社の大型ステーキグリラーを備え、900℃の高熱で、肉の旨味を逃さず一気に焼き上げる。クラブケーキのような、ステーキハウスらしい前菜もあれば、肉に牡蠣を詰めて焼く「カットバックステーキ」なんて変わり種も。また肉には米! という人のために白飯までアリ、という柔軟性も素晴らしい。

シェフ厳選 本日の特選サーロインステーキ 炭火で焼くことで脂が落ち、表面が香ばしく、軽やかに焼き上がるのが炉窯ステーキの特徴。また、脂が炭につくことでさらに火が上がるから、肉には香ばしい紀州備長炭の香りが。この日の肉は、熊本の黒毛和牛。産地は日によって替わるが九州産が多い。料理はすべておまかせコース15,000円より。

北寄貝とバイ貝 17種類の お野菜とのサラダ仕立て 魚介を使ったサラダも、コースの定番。この日は、さっと火入れした2種類の貝と、ルッコラ、エシャロット、ちりめんキャベツなど多彩な野菜を組み合わせて。

幻のスモークサーモン 低温で燻製をかける「冷燻」が一般的なスモークサーモン。が、こちらでは炉窯を使った「温燻」タイプの珍しいスモークサーモンが名物。〈哥利歐〉仕込みの作り方で、キングサーモンを3時間半〜4時間燻製する。

炭火を操り、肉を焼き上げる結城さん。

テーブルの間隔がゆったりとしている贅沢な空間。店の奥には最大6名入れる個室が。

SteakDiningVitis

中目黒

備長炭の香り漂う上品なステーキを。

 鉄板、グリルマシンなど、ステーキを焼くための調理器具は様々あるが、扱いが難しいとされているのが「炉窯」。煉瓦を組んで作られた特製の窯に炭をくべ、串刺しにした肉を焼く炉窯ステーキは、炭火をコントロールしながら、ベストな焼き加減を判断する能力が求められる。
 そんな炉窯ステーキの名店といえば新橋〈麤皮〉。その流れを汲む築地〈哥利歐〉で修業を積んだ結城壮平シェフが、2014年8月に中目黒に独立開店。
 実は炉窯ステーキの店は総じて金額が高めになる傾向がある。が、ここではメニューをおまかせコース1本に絞りその分ぐっと抑えた価格設定に。炉窯ステーキのおいしさを多くの人に広めたいというシェフの心意気だ。
 もちろん、扱う肉のグレードや焼き方は妥協なし。3種類をブレンドした塩を振り、表面の脂がジクジクと音を立てるほどに焼かれた肉は、表面パリッと、中はしっとり。食べるとうっとり、な極上の焼き上がりだ。

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CARNEYA SANOMAN'S

西麻布
03・6447・4829
11時30分〜14時LO、18時〜21時30分LO。
ワインは現在約100種類。グラス900円〜。ボトル4,500円〜。
昼は1,200円〜。夜はコースなら7,800円。
テーブル18卓40席。カウンター4席。個室1室は4人まで。

東京都港区西麻布3ー17ー25 KHKビル中2階。日曜休。交通:東京メトロ広尾駅3番出口から徒歩8分。お店の看板やショップカードに添えられている“PURVEYORS”という単語は、「(食料品などの)調達者、仕出し屋」といった意味を持つ。そのココロは、レストランとして営業するのに加え、熟成肉の販売を行ったり、ゆくゆくはお弁当なども手がけたい、という思いからなんだそう。

SteakDiningVitis

中目黒
03・5708・5015
17時〜22時LO。
ワインはフランス産中心に約100種。グラス1,200円〜。ボトル4,500円〜。
メニューは、おまかせコース15,000円のみ。
テーブル6卓12席。個室6席。
個室の室料は5,000円。

東京都目黒区目黒3ー1ー13 Barbizon49 B1。日曜・祝日休(不定休あり)。交通:東急電鉄または東京メトロ中目黒駅から山手通りを国道246号線方向へ進んで徒歩3分。コースの内容は、スモークサーモン、前菜、サラダ、ステーキ、デザート、コーヒー。〈Vitis〉とは、ブドウ属の呼称で、ラテン語で「母なる木」という意味。ワインと肉のマリアージュを意識したネーミングだ。

photo/
Hisashi Okamoto
text/
小石原はるか

本記事は雑誌BRUTUS794号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は794号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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