斉村朝子/傷跡フェチ

きたれ変態さん!

No. 793(2015.01.13発行)
夢の値段2015
こちらはお気に入りの一つで、知人の腕にできた25年ものの傷跡。

枯れた傷跡を持つ人には色気を感じる」と語る齊村さん。“瘢痕”には、造形物としての美と、背景に隠された物語性、そして経年変化で表情が変わっていく魅力があるのだと言う。もちろん自身にも、感情移入している傷跡がある。死別した愛犬につけられた足首の瘢痕だ。犬と自分をつなぐ残された絆でもあり、消えてほしくない思いから上からひっかくのが習慣になっているという。もともと幼少期から、絆創膏の裏を赤く塗って血がにじんでいるふうにして遊んだりと、血や傷への好奇心は人一倍強かったそう。だけど自傷行為はNGとのこと。また、ものもらいも好きで、目元が腫れ上がった顔をセクシーに感じるんだとか。ものもらいの人を見ると、跡に残らないから簡単に治さないでほしいと密かに思う。傷跡を持つ知人ができるたび写真を撮らせてもらうのが、今のライフワークだ。

取材・文・写真/井上 俊

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井上 峻
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井上 峻

本記事は雑誌BRUTUS793号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は793号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.793
夢の値段2015(2015.01.13発行)

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