エンターテインメント

イーノとフリップ、ヨーヨー(友友)馬。

滝本誠のCAFÉ NOIR

No. 791(2014.12.01発行)
なにしろ映画好きなもので。

 馬は友達、ヨーヨー・マ(友友馬)、高名なチェリストの名前がつい浮かんでしまいましたが、馬への人間の思いは格別のものがあるようです。パリ凱旋門賞の季節になると、いつもは中国韓国観光客に占拠されている街にいきなり日本人が増えますが、馬は友達以上に友友金というところでしょう、ヨーヨー。
 今年の夏は、舞台劇『ウォー・ホース~戦火の馬』の来日公演が話題となりましたが、この秋の競馬、いや馬といえばこれでしょう。フリップ&イーノの『LIVE IN PARIS 28.05.1975』(OPAL)の3枚組CDジャケットを飾る燃え立つ馬です。この馬は1970年に発表されたイギリスの実験映画作家マルコム・ルグリスの作品『ベルリン・ホース』からのスティルです。マルコムは古い記録フィルムを発見、それにさまざまな加工を加えてアート映像としたのです。こうしたルグリスの映像作品をループ状態で何度もリピートしながら上映し、それとコラボするかのような演奏会が、1975年5月から6月にかけてスペインフランスイギリスと7回おこなわれました。ブライアン・イーノがテープレコーダーを操作、そのテープにロバート・フリップがエフェクトを効かせた叙情的なギター・ソロを乗っけていくという、これまた実験性の強い試みでした。映像と音楽がともにループし、重なり離れ……。
 ちょうど、『ノー・プッシーフッティング』と『イヴニング・スター』の中間点のライブでした。この収録日の10日後、筆者は初めての外国、初めてのロンドンで彼らのコンサートをパレイディアムで聴いたわけです。その頃はまだ、某出版社で会社勤めでしたが、何か会社が許さざるをえない理由をつけて2週間ほど休んだ記憶が……鮮明、いや曖昧です。
 ブライアン・フェリーも甘美派の極致とも言うべき『マムーナ』のジャケットにイギリスの画家=ジェームズ・ウォードの馬の絵を使っていて、イーノも参加し、友友馬

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本記事は雑誌BRUTUS791号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は791号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.791
なにしろ映画好きなもので。(2014.12.01発行)

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