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テーマ〈続々々・テレビ〉

平常心ブラザーズの平常心を失くす日。

No. 791(2014.12.01発行)
なにしろ映画好きなもので。
宮沢章夫
やついいちろう
やつい 1980年代にテレビの仕事を多くしていたときは、楽しかったですか?
宮沢 俺はまあ会議でウケればいいと思っていたから。成立するわけがないっていうアイデアを次々と出していく。例えば、日韓対抗綱引き。日本海を挟んで綱引きをするっていう(笑)。
やつい 絶対できないじゃないですか!(笑)
宮沢 海に落ちた方が負けっていう(笑)。
やつい 実現すること考えていたら言わないですもんね。
宮沢 10月までやった、NHKの『ニッポン戦後サブカルチャー史』
も打ち合わせが楽しかった。余計なことしゃべってるし、俺。90年代以降の『エヴァンゲリオン』とかコスプレとか弱いからさ、「何言ってるんだ、知らねえよ」って(笑)。
やつい でもエヴァは、面白かったんですね?
宮沢 エヴァって意味がわかんないでしょ。アニメファンってすごいなって思った。わからないことについてくる。
やつい ガンダムも放送時は視聴率が悪かったっていう。“わかんない”ってすごいんですよね。アメリカのドラマを観ていると、とりあえず謎さえあればいい。謎だけで引っ張ってるんですよ。
宮沢 結局、『ツイン・ピークス』だってそう。最終的にわからないまま終わるっていう。
やつい でも、やっぱり『サザエさん』なんですよね、数字をとるのは。オバさんっていうマジョリティをつかまえて、暴力もないし、最新でもない。
宮沢 俺も変に新しいものには抵抗するんだけど。
やつい あれ? 新しいもの好きなイメージありますけど(笑)。今、流行っている『進撃の巨人』もなんだか現実とリンクしているなって思います。福島の原発やイスラエルを彷彿とさせるというか。
宮沢 そうすると社会学者が何か言うじゃない、確実に。エヴァの古い本を読んでいると、当時語っていた人たちは、今どうしてるんだろう? って思うよね。俺はどうしちゃったか、20年後に夢中になっているっていう(笑)。
やつい 頭のいい人たちが知的な遊戯として使って、夢中になってみんなでしゃべって高尚にしたものが、最終的にパチンコになるっていうテレビの流れがありますよね。エヴァもきっちりパチンコ台になってますから。(テーマ了)

宮沢章夫/遊園地再生事業団主宰。近著に『NHKニッポン戦後サブカルチャー史』。

やついいちろう/『エレキコミックJAPAN TOUR 2014.~「エレマガ。」に入ろうね』公演中。

photo/
米谷 亨
text/
村岡俊也

本記事は雑誌BRUTUS791号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は791号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.791
なにしろ映画好きなもので。(2014.12.01発行)

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